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日産とホンダの統合協議が破談に

◉暗礁に乗り上げた、というnoteをポソポソ書いてたのですが───書いてる最中に、破談に至った訳で。内容を大幅に書き直さなくてはならなくなり、心が折れそうです。はっきり言って、日産側の問題ですね。経営陣が迷走を繰り返した挙句、老舗のプライドだけいっちょ前で、頭を下げられなかったと。

【ホンダ・日産の統合協議、「破談」の可能性も…「子会社化案」打診に日産側が強く反発】読売新聞

 ホンダと日産自動車の経営統合協議に暗雲が漂い始めた。関係者によると、ホンダは2月1日までに、日産を子会社化する案を打診したが、経営の主導権を奪われる日産側は強く反発しており、統合協議そのものが破談になる可能性が出ている。日産幹部は4日、「双方の株主に受け入れられる条件を満たすのは、ほぼ不可能に近い。(経営統合は)もう無理だ」と語った。

 両社は昨年12月、2026年8月に新たな共同持ち株会社を設立して傘下に入り、両社を上場廃止する方向で協議入りすると発表した。しかし、日産のリストラ策定の遅れにしびれを切らしたホンダは、日産を子会社化することで主導権を握り、リストラを断行させる方針に傾いた。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250205-OYT1T50019/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ダットサントラックの写真だそうです。


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■願ったり叶ったり■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。HONDAとしては、経済産業省からのお声掛け だったので、渋々話を聞いたけれど。向こうから断ってきたので、願ったり叶ったりというところではないでしょうかね。プライドだけは高いくせに、従業員は社内にいくつも労働組合を作って非協力的、役員は60人以上いて船頭多くして船山に登る状態の会社。HONDAとしては、子会社としてHONDAの流儀をちゃんと受け入れてくれないと、獅子身中の虫になりかねない危険要因ですから。

日産側の関係者は4日、「破談にならないように期待したいが、(経営統合は)厳しい」と述べた。ホンダ側の関係者も「日産には緊張感が足りない。これ以上付き合う余裕は、ホンダにもない」と話した。

多くの人が指摘されていますが、やってることはSHARPや東芝の失敗と同じ。過去の成功体験にとらわれて、新しい時代への対応がうまくいかず。そのくせ、危険な賭けにオールインし、大コケ。SHARPは高密度高精細の液晶にこだわり、折りたたみ液晶や巻取り液晶のようなイノベーションが生まれず。東芝は原子力事業の失敗で、大ダメージを受けて、上場廃止に。からくり儀右衛門こと田中久重も、嘆いていることでしょう。

■腐っても鯛は危険■

もうひとつ付け加えるならSHARPも東芝も、社内での権力闘争が激しすぎたこと。カルロス・ゴーン氏の問題も、ある意味で社内抗争の延長線上にあり。追放した方に、何か明確なビジョンがあったかといえば、それもなく。会社をどうするかの志(ビジョン)よりも、権力抗争に勝つこと自体が 自己目的化してしまう、典型的なパターンですね。その弊害を知っていた藤沢武夫は、HONDAに役員大部屋制度を導入し、要らぬ権力抗争を予防したわけで。でも、権力抗争が自己目的化した日産は、役員は自分の生き残りとエゴを主張するのは、目に見えています。

日産がほとんど北海道拓殖銀行と同じ道を歩んでいる

(北海道銀行と拓銀の統合を「都市銀行が地方銀行に食われる統合はならん」となり破断。結局倒産して北海道から都市銀行消滅、他の地域より長く深刻な不況突入)

https://x.com/mosaic334/status/1886905656646803654

「腐っても鯛」という言葉がありますが。腐った鯛は、食えません。新鮮なメザシ以下。なのに、自分の価値を過大評価し、ホッケを馬鹿にする。自動車会社の格付けで言えば昔は、圧倒的な大横綱のTOYOTA、クンロク大関のNISSAN、技能派関脇のHONDA、意外な実力者の小結SUZUKI、絶対的な得意技を持つ前頭筆頭MAZDAといった感じだったのですが。HONDAが大関に昇進しNISSANは大関陥落、それどころか負け越しで復帰も絶望的になり、このままでは十両陥落の機器。なのに当人、対等じゃなきゃヤダヤダと、ダダをこねている状況。

■黄昏の時を生きる■

今となっては、三菱は早めに逃げて正解だったかなという感じですね。日産、このまま外資に売られてしまうのか、それともメンツを潰された経済産業省が、経営陣を怒鳴りつけてHONDAに詫びを入れさせるか? あるいは、分割されてTOYOTAやHONDAなど各会社に吸収されるのか? そもそも、運転免許も持っていないし、そもそも自動車にそれほど興味がない人間からすれば、NISSANといえばフェアレディZとGT−Rぐらいしか、思い浮かばないんですよね。昔はシルビアやブルーバード、サニーなど、色々あったような気がするのですが。

 両社の統合協議を巡っては、日産が筆頭株主の三菱自動車も参画を検討しているが、当面は上場を維持する方針に傾いている。三菱自は今月3日の決算記者会見で、ホンダと日産の協議方針が判明後、関与の在り方を判断するとしていた。

1990年代の経営危機のとき、抜本的な改革ができず、小手先の改革やリストラでしのいで来た結果、二進も三進も行かなくなっちゃった……という感じですね。NISSAN自体は、海外ではSUVと小型車とピックアップトラックの評価は高いそうなので、外資に買われそうですね。ルノーと資本提携したときも、ルノーはNISSANの技術力に助けられている、なんて言うファンの声を聞きましたが。それって、F-2戦闘機の開発で、日本は 国産 技術だけで素晴らしい戦闘機が作れるはずだったのにアメリカから共同開発で技術を横取りされた云々の寝言と、似てますね。

台湾TSMCの工場進出に対しても、腐っても鯛でギャーギャー言う人間がいますが。栄枯盛衰は世の常。変なプライドを振り回すよりは、現状を認めて改善のためのプランを、示していくべきなんですが。それができない。問題を先送りし、小手先の延命を繰り返し、最後は破綻。江戸幕府が滅びたのと同じで、日本の企業がダメになっていく時のパターンは、昔から変わりませんね。夕張市のがそうでしたが。同じ炭鉱の町でも、福智町はさっさと財政再建団体入りして、早めに立ち直りましたが。NISSANは夕張市ルートに行くようです。


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喜多野土竜
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