黒トリュフの人工発生に成功
◉秋の味覚と言えばキノコ、高温多湿で森林が多い日本でも、松茸やらシメジなど、美味しいきのこが多いですが。欧州ではやはり、トリュフ。日本名はセイヨウショウロ。日本でもトリュフが取れると話題になったのは、けっこう昔、自分が小学生の頃でしたが。ただし、ヨーロッパのトリュフの亜種という位置づけだったような。その人工発生に成功したというニュースが届きました。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、群生するキノコ。トリュフの写真は、さすがになかったです。
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■白トリュフ黒トリュフ■
そういえば、近畿大学が人工栽培に成功したという話題は、ずいぶん昔に聞いた記憶がありましたが、あまり香りが良くなかったようで、その後は話題にもならず。Wikipedia先生を見てみたら、1996年に成功していますね。でも、前記のような原因もあり、一般的な栽培にはならなかったようですが。その後も、各研究機関で研究は続いていたようです。森林研究・整備機構の森林総合研究所が黒トリュフの人工栽培に成功。でも、ここでちょっと混乱してしまいました。
白トリュフの人工栽培に、茨城県つくば市の森林総合研究所が成功したというニュースは、以前にお伝えしましたが。フランスで珍重される種とは微妙に種類は違うようですが、それでも白トリュフ。高価な白トリュフの人工栽培に成功したのだから、それよりは安価な黒トリュフは、近畿大の成功もあって、かなり進んでると思ったのですが、そうでもなかったようで。トリュフは松茸やシメジと同じ外菌根なので、樹木の根に規制して栄養を取るタイプ。この種類は、人工栽培が難しいことで知られています。
■トリュフ犬が大量毒殺■
実は白トリュフは、あまりに貴重で高価なために、イタリアでは悲劇的な事件が起きていたようです。イタリアではトリュフを専門的に探すトリュフ犬がいるとか。専門の訓練所があり、そこで訓練を受けて、森の中で探すんだそうです。昔は、トリュフはブタが探すと言われていましたが。ブタの嗅覚は、優れていますからね。でも、犬のほうが訓練を受けて扱いやすいですし。ブタは、トリュフを見つけると食べちゃうので、やはり犬のほうが向いているというか。
トリュフ犬には、ラゴット ロマニョーロ(ロマーニョ・ウォーター・ドッグ)という、イタリア独特の水鳥犬(鴨などを打ったとき、湖や川に飛び込んで獲物を改宗してくるタイプの犬)が使われるようですが。言われてみれば、同じ水鳥犬のプードルっぽいですね。優れた嗅覚で、専門の訓練を受けてトリュフを探すようですが。この数の犠牲となると、かなり後半に、大量に毒物をまいているのでしょう。他の動物も毒餌を食べて、被害にあってるわけで。
■白トリュフが高すぎる■
なぜこんなことになるかと言えば、白トリュフが驚くほど高額だからです。白トリュフは700グラムで2927万円、つまり1グラムあたり約4万1825円高級食材。うわぁ……もう松茸どころの話ではないですね。検索したら、松茸は400グラム(5~7本分)で4万3200円という数字が出てきました。そりゃあ、マフィア(コーザ・ノストラ)発祥の地でもあるイタリア。金が絡めば人の命の値段なんて、安いものですから。いわんや、犬の命なんて、なんとも思わない人が多いでしょう。
こういう悲劇を繰り返さないためにも、白トリュフも黒トリュフも、人工栽培で安く出回るようになれば、そう願いますね。ファイザー社のバイアグラが簡単に手に入るようになったら、回春作用があるとされている貴重な野生動物の、密猟が減ったとか。トラの肉とかサイの角とか、実際にはそんな作用はないんですが。でも、そんな高価なものを買わなくても、バイアグラで問題なし。人工栽培のトリュフも、食通は天然物を珍重するでしょうけれど。それは否定しませんが、こんな悲劇は要りません。養殖で充分。
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