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黒トリュフの人工発生に成功

◉秋の味覚と言えばキノコ、高温多湿で森林が多い日本でも、松茸やらシメジなど、美味しいきのこが多いですが。欧州ではやはり、トリュフ。日本名はセイヨウショウロ。日本でもトリュフが取れると話題になったのは、けっこう昔、自分が小学生の頃でしたが。ただし、ヨーロッパのトリュフの亜種という位置づけだったような。その人工発生に成功したというニュースが届きました。

【黒いダイヤ「黒トリュフ」を日本国内で人工的に発生させることに成功】ナゾロジー

世界三大珍味の1つである「トリュフ」は、これまで国内で栽培されておらず、高級食材として海外から輸入されてきました。

白トリュフよりも安価な黒トリュフであっても、高級食材であることには変わらず、度重なる不作によって価格が高騰しています。

ところが最近、森林研究・整備機構 森林総合研究所に所属する山中 高史氏ら研究チームは、国産の黒トリュフを人工的に発生させることに成功したと報告しています。

2022年11月の国産の白トリュフの人工的発生に続き、黒トリュフまでも人工的発生に成功したのです。

詳細は、2023年12月4日付の『森林総合研究所のプレスリリース』にて発表されました。

https://nazology.net/archives/140186

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、群生するキノコ。トリュフの写真は、さすがになかったです。

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■白トリュフ黒トリュフ■

そういえば、近畿大学が人工栽培に成功したという話題は、ずいぶん昔に聞いた記憶がありましたが、あまり香りが良くなかったようで、その後は話題にもならず。Wikipedia先生を見てみたら、1996年に成功していますね。でも、前記のような原因もあり、一般的な栽培にはならなかったようですが。その後も、各研究機関で研究は続いていたようです。森林研究・整備機構の森林総合研究所が黒トリュフの人工栽培に成功。でも、ここでちょっと混乱してしまいました。

白トリュフの人工栽培に、茨城県つくば市の森林総合研究所が成功したというニュースは、以前にお伝えしましたが。フランスで珍重される種とは微妙に種類は違うようですが、それでも白トリュフ。高価な白トリュフの人工栽培に成功したのだから、それよりは安価な黒トリュフは、近畿大の成功もあって、かなり進んでると思ったのですが、そうでもなかったようで。トリュフは松茸やシメジと同じ外菌根なので、樹木の根に規制して栄養を取るタイプ。この種類は、人工栽培が難しいことで知られています。

■トリュフ犬が大量毒殺■

実は白トリュフは、あまりに貴重で高価なために、イタリアでは悲劇的な事件が起きていたようです。イタリアではトリュフを専門的に探すトリュフ犬がいるとか。専門の訓練所があり、そこで訓練を受けて、森の中で探すんだそうです。昔は、トリュフはブタが探すと言われていましたが。ブタの嗅覚は、優れていますからね。でも、犬のほうが訓練を受けて扱いやすいですし。ブタは、トリュフを見つけると食べちゃうので、やはり犬のほうが向いているというか。

【イタリア白トリュフビジネスの闇、トリュフ犬38匹が毒殺の犠牲に】Newsweek

(中略)
イタリアでは、白トリュフ解禁日は毎年9月21日から11月31日のみと決められており、その収穫の短い期間内に、収穫地を巡った競争は激化し、他者を排除するための縄張り争いが起こっている。その結果、破壊的で危険な手段をとる違法で野蛮な行為が、同地域で数年おきに報告されていた。

また今年、野生と家畜の両方の数百匹の動物の死を引き起こした。

2023年11月18日、モリーゼ州イゼルニア県サン・ピエトロ・アヴェッラーナで、38頭のトリュフ犬が残酷に毒殺された悲劇的な出来事が起こった。

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/vismoglie/2023/12/38.php?t=1

トリュフ犬には、ラゴット ロマニョーロ(ロマーニョ・ウォーター・ドッグ)という、イタリア独特の水鳥犬(鴨などを打ったとき、湖や川に飛び込んで獲物を改宗してくるタイプの犬)が使われるようですが。言われてみれば、同じ水鳥犬のプードルっぽいですね。優れた嗅覚で、専門の訓練を受けてトリュフを探すようですが。この数の犠牲となると、かなり後半に、大量に毒物をまいているのでしょう。他の動物も毒餌を食べて、被害にあってるわけで。

■白トリュフが高すぎる■

なぜこんなことになるかと言えば、白トリュフが驚くほど高額だからです。白トリュフは700グラムで2927万円、つまり1グラムあたり約4万1825円高級食材。うわぁ……もう松茸どころの話ではないですね。検索したら、松茸は400グラム(5~7本分)で4万3200円という数字が出てきました。そりゃあ、マフィア(コーザ・ノストラ)発祥の地でもあるイタリア。金が絡めば人の命の値段なんて、安いものですから。いわんや、犬の命なんて、なんとも思わない人が多いでしょう。

昨年のイタリア白トリュフのオークションでは、700gあたり18万4000ユーロ(約2,927万円)で、香港人バイヤーが落札し、22年間で一度も達成されたことない最高額が記録された。
オークション全体としては600万ユーロ(約9億5,400万円)の収益があり、その内の60万ユーロ(約9,540万円)分が世界中の慈善プロジェクトに資金提供されることとなった。

こういう悲劇を繰り返さないためにも、白トリュフも黒トリュフも、人工栽培で安く出回るようになれば、そう願いますね。ファイザー社のバイアグラが簡単に手に入るようになったら、回春作用があるとされている貴重な野生動物の、密猟が減ったとか。トラの肉とかサイの角とか、実際にはそんな作用はないんですが。でも、そんな高価なものを買わなくても、バイアグラで問題なし。人工栽培のトリュフも、食通は天然物を珍重するでしょうけれど。それは否定しませんが、こんな悲劇は要りません。養殖で充分。

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