タスマニアタイガーのRNA抽出
◉絶滅したタスマニアタイガーの標本から、RNAを抽出するのに成功したとのこと。RNAは、コロナワクチンのmRNAで名前が知られるようになりましたが、遺伝子のDNAと似たようなものです。DNAがCD-ROMやDVD-Rに焼いたデータだとすると、RNAはパソコンのSSDやRAMに存在するデータみたいなものですかね。DNAの情報をもとに、RNAが各種のタンパク質を合成する役割です。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
■有袋類の虎? 狼?■
タスマニアタイガー、日本語だとフクロオオカミです。虎なのか狼なのか、どっちなんだと言われそうですが。両方とも正しいです。背中の途中から臀部にかけて 縞模様があり、これが虎の縞模様に似ているので、英語では タスマニアタイガー(サイラシンのほうが正式な呼び名ですが)。有袋類で、見た目は狼っぽいの和名はでフクロオオカミ。有袋類の肉食動物としては、生態系の頂点にいた 捕食者と考えられます。
有袋類はカンガルーやコアラのように、赤ちゃんを育てるポケットのような袋を持ち、赤ちゃん自体は非常に小さなくて未熟な状態で産みます。カンガルーとか、あの巨大なのに赤ちゃん自体は人間の親指ぐらいの大きさしかありませんからね。小さく産んで大きく育てるのが 幽体類の戦略。また種類によっては、妊娠しても栄養状態がいまいちだと、出産せずに数年間も体内にとどめを置くこともできるそうです。
■有袋類と真獣類■
有袋類は、オーストラリアと南アメリカ大陸の一部にしか残っていませんが、哺乳類なので。私たち人類と同じ真獣類と、似たようなポジションの動物がいます。カンガルーは牛や鹿の仲間のポジションですし、コアラはナマケモノ。フクロモモンガやフクロアリクイはその名前の通り、モモンガやアリクイと同じような食性で、同じような外見的特徴を持っています。タスマニアタイガーも同じです。
生物のDNAは死後、どんどん分解されてしまって、残らないそうで。映画『ジュラシックパーク』で描かれたように、血を吸った蚊の体内に恐竜のDNAが琥珀に閉じ込められて残っていても、計算上は680万年で完全に分解されてしまうんだそうです。いわんや、剥製に残された遺伝子は、けっこう断片的なようです。でも DNA と RNA の両方を調べることによって、欠損した部分を補うことは可能なようです。
■絶滅動物復活ロマン■
タスマニアタイガーの復活が成功するならば、他の絶滅した有袋類の復活も可能になるでしょうし。同じく 復活プロジェクトが昔からあるマンモスと違って、写真や フィルムがある時代、1936年まで生きていた生物ですから。夢は広がりますね。大きさ的には、現在の大陸狼と同じぐらいの大きさはあったようですから、かなりの大型哺乳類。復活したら、その特殊な外見も含めて、大きなインパクトを与えるでしょう。
自分たちの世代は、ニッポニア・ニッポンことトキが絶滅危惧種になり、ついには絶滅してしまったのを経験した世代ですから。こういった絶滅動物の復活プロジェクトには、わくわくするものがありますね。ひょっとしたら未来の世界では、鳥類の遺伝子から恐竜の遺伝子を再現して、ティラノサウルスとかが動物園で闊歩しているのかもしれませんし。今の時代は今の時代で、次の世代につながるような研究をすることが大事なのでしょう。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ