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化石賞とマスコミの欺瞞

◉また毎日新聞が、どこぞの民間団体が主催する化石賞について、大々的に取り上げていますね。国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)という、目立つ場でのパフォーマンス。昔だったら、こういう「海外様がお怒りじゃ〜!」の変形出羽守論法が、通用したのでしょうけれど。双方向のインターネット時代、専門家が容易に参加できるSNS時代には、もう通用しない手口です。

【「気候危機の最大の責任者」 日本などに“特大化石賞” COP29】毎日新聞

 アゼルバイジャン・バクーでの国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で会期最終日の22日、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は「特大化石賞」を、条約で途上国への資金支援を義務付けられている日本など先進国(24カ国・地域)に贈ると発表した。COP29会期中の日本の受賞は、G7として受賞した15日に続き2度目。

 COP29は途上国で地球温暖化対策を進めるための資金調達の方向性が最大の焦点で、資金目標の大幅増額を求める途上国と先進国の間の対立が続いてきた。CANは24カ国・地域を「気候危機を引き起こした最大の責任者」とし、「世界が産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える目標を達成するために必要な資金を支払う義務から逃れようとしている」と指摘。さらに「金がないと言いながら、多額の資金を化石燃料につぎ込んでいる」と批判した。

https://mainichi.jp/articles/20241123/k00/00m/030/008000c

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、堅頭竜類のパキケファロサウルスの写真です。頭が堅い恐竜の化石、と。


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■実はマッチポンプ賞?■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。この化石賞なるものがバカバカしいのは、最大の二酸化炭素排出国である中国にはほとんど贈っていない、という点。ダブルスタンダードにも、ほどがあります。要するに日本は、こういう賞を贈られても殴り返してこないので、なめているわけです。はっきり言えば、卑怯者仕草。きちんと反論しない日本も悪いという意見もありますが、そもそも相手をする価値のある団体かといえば……。ペケッター上では、非難轟々の駄記事ですが、エビデンス付きで疑義を呈する人もいます。

火力発電でよく話題に上る化石賞、
実際に米英で報道されているか調べてみました。
日本 98件
英国 2件 ともに Guardian
アメリカ0件 とのこと。
海外では別に注目されていない賞を大々的に報じて、あたかも注目されているように装う。
やっていることは、舶来物をありがたがる人たちと一緒である。

https://x.com/shioshio38/status/1860672939840225359

けっきょく、左派系のマスコミがマッチポンプで騒いでいるだけ、というのが化石賞の現実かと。つまり、針小棒大に騒ぐマスコミの問題。マスコミが両論併記を貫徹するならば、日本の石炭火力発電の優秀さや、コンパウンド・サイクル発電の仕組み、安全性が高い第四世代原子炉などについての説明に紙面を割く方が、よほど読者も勉強になって、建設的だと思うのですが。ばかばかしい話ですが、こういう駄記事に冷静な反論や疑問が出る インターネット時代は、昭和の一方通行メディアの時代よりも、よほど健全だと思います。

■旧メディアにも変化が■

問題のルーツは、反捕鯨運動に対して、日本が狙い撃ちにされていた時代から、ずっとあります。日本も反論はしていましたが、マスコミが海外の主張と同調し、いつもの 報道しない自由を駆使していましたから。でも化石賞に関して言えば、時事通信社が疑問を呈する解説記事を、アップしています。

【「化石賞」なぜ日本ばかり? 中国、際立つ少なさ―COP28】時事通信社

 【ドバイ時事】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、日本が温暖化対策に消極的だとして、国際的な環境NGO「CAN」から不名誉な「化石賞」を2度も贈られた。温室効果ガスを大量に出す石炭火力発電を使い続けているのが理由だ。一方、世界最大の温室ガス排出国である中国は化石賞にほとんど縁がない。
(中略)
 中国が化石賞に選ばれない理由について、CAN関係者は「中国国内でのNGO弾圧につながる可能性もあり、あまり刺激したくないのでは」と分析。その上で、日本に対し「化石賞には批判だけでなく、政策改善への期待も込められている。世界にもっと貢献してほしい」と話した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023120900347

ふ・ざ・け・ん・な! ですね。何が日本に対し「世界にもっと貢献してほしい」ですか。キミらは、世界のために何の貢献をしてると言うのか? 日本は科学技術の面で、火力発電の二酸化炭素排出を軽減する技術を研究開発し、十分に貢献しています。一方で、中国にはNGO弾圧の可能性なんて、曖昧なもので批判の矛先を鈍らせているのですから、偽善者のダブルスタンダードです。よくこんなことを、恥ずかしげもなく言えますね。こんな団体を嬉々として取り上げるマスコミが、我が国最大の問題です。

■是々非々で論じる時代■

日本の左派系マスコミは、「原子力発電は悪、石炭火力発電は悪、再生可能エネルギー万歳!」の、結論ありきで報道していますが。アメリカのリベラルメディアを代表するニューヨークタイムズは、その点で是々非の評論を出しますからね。二酸化炭素を排出量を下げ、なおかつ安定した電力供給を実行しようと思えば、現時点では原子力発電しか、有効な選択肢がないわけで。左派系マスコミはすぐ、数字のごまかしで反論してきますが。ほぼ論破済みかと。

【「敬遠された原子力」は今や「希望の星」 NYタイムズの原発「再評価」報道に注目を】産経新聞

「かつて敬遠された原子力は今や気候変動の新たな星」。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は15日、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)を取材した記者の記事を伝えた。気候変動交渉での原子力への期待が以前より強まっているという。同紙は米国で影響力がありリベラル色が強い。再エネ推しだが、この1年は論調が変化している。

これは世界各国で原子力への評価がこの数年高まっていることを反映したものだろう。ウクライナ戦争以降、国際エネルギー情勢の不透明感が続く。人工知能(AI)の利用拡大、情報通信技術(ICT)の深まりで、全世界で電力需要の拡大が見込まれる。新興国は経済成長のために電力を欲しがる。一方で気候変動も深刻だ。脱炭素の電源であり、巨大な量の電力を生む手段として、原子力発電が期待されている。

https://www.sankei.com/article/20241124-JECZQ6WAFRKEXJ7SXI2LZH2NKA/

少なくとも現時点では、再生可能エネルギーはベースロード電源になり得るレベルにありません。「核廃棄物の最終処分が〜! トイレのないマンションで〜!」と、受け売り金太郎飴の反原発論者が必ず現れますが。核廃棄物はガラス固化して、深地下の岩盤層に封印で。貞子のように、放射性物質がズルズルと這い出してくるイメージを持ってるようですが。それって、日本の神道の穢れのような存在として、放射性物質を捉えている証拠。それは科学的な態度ではなく、情緒的な呪術です。議論になりません。


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