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タコが世界的に高騰

◉頭足綱・腕形上目・タコ目のタコ(日本では主にマダコ)が、値段が高騰しているようです。水揚げ量が減っていて、でも世界的に需要が高まり、さらに円高も加わって。しかし、マグロより高くなるとは……。輸入に頼る日本の弱点が、タコも直撃してしまったようです。

【タコ高騰、世界で引っ張りだこ たこ焼き1個70円→90円】日経新聞

タコの値段が高騰し、世界一のタコ消費国である日本に重くのしかかっている。小売価格は高級魚のマグロを超えた。国内の漁獲が減る中、アフリカなどから輸入してまかなってきたが、世界の需要増加や円安基調、輸送費上昇で値上がりが止まらない。「世界で引っ張りだこ」のタコの高級化は、庶民の味、たこ焼きにも影響し始めた。

世界で需要増 単価マグロ超え
総務省の9月の小売物価統計によると、東京都区部の「たこ」小売価...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB150M60V11C24A0000000/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、たこ焼きの写真です。
美味しそうですね。


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■タコは庶民の味か■

観光客にも、たこ焼きが人気のようで。自分も大好きです。熟練の職人が、鮮やかな手さばきで、ふんわり仕上げたタイプが好きです。外はカリッと中はトロっと、みたいなのを喧伝するのは、単に技術がないアルバイトの人間でも作れる形式を、ゴリ押ししてるだけに見えます。また、紅生姜を入れるお店も、好きではありません。紅生姜自体が本来、臭みを取るものですから。タコの繊細な味がわからなくなってしまいますから。材料の質の悪さを、ごまかそうとしてるのかと疑ってしまいます。

タコ自体は、刺し身にして良し、茹でて良し、酢の物にしてもよし、揚げてよし。万能選手ですからね。これからの季節だと、おでんのネタとしても、美味しいですから。見た目はかな〜りグロテスクですが、繊細な味わいが、他の料理との相性もよく。イイダコの卵とか、珍味もある。日本人は本当にタコが好きで、国内の水揚げでは需要が賄いきれず、アフリカなどの外国にタコ漁を教えて、輸入しまくっていますし。でも、世界的な需要が高まれば 値段が上がるのは当たり前です。

■食文化の中のタコ■

タコは欧米では、デビルフィッシュということで、食す習慣がなかったんですけどね。そもそも聖書では、食べていけない動物について、が言及あるので。でも、見た目はグロテスクですけど、食べてみると美味しいですからね。旧約聖書のレビ記11章には、「すべて水の中にいて、ひれも、うろこもないものは、あなたがたに忌むべきものである。」 と書かれていますから、ユダヤ教徒はタコやイカの頭足類はもちろん、エビやカニの甲殻類も食べません。鰻も、顕微鏡で見ると極小の鱗があるのですが、こちらもダメなようで。

この食のタブーは、キリスト教にも影響を与えていますから。聖書では、蹄の割れた反芻動物しか食べてはいけない、という記述もあります。つまり、牛や羊や山羊といった、偶蹄目しか食べてはいけないと言ってるわけです。奇蹄目の馬を食べる文化が、欧州に少ない理由です。もっとも、フランスなど食べる地域もあるように、割と ローカルな部分はあります。聖書の記述を厳密に守れば、反芻をしない豚やウサギも食べてはいけないことになるのですが、実際は盛んに食されていますから、ユダヤ教徒ほど厳密な禁忌ではないのでしょう。こちらのnoteもどうぞ。

■約78%が輸入品■

タコに関しては、日本の消費量は約16万トンで、世界のタコ漁獲量の約3分の2を占めているとか。どんだけタコが好きなんだ、日本人! なのに、日本国内のタコの漁獲量は、2019年で3.5万トンと、21.8%に過ぎません。外国からの輸入が滞れば、あっという間に価格が高騰するのは、あたり前田のクラッカーです。明石のタコで知られる兵庫県明石市ですら、年間1000トンぐらいしか水揚げがなく、さらに国内の水揚げの67%を北海道が占めている状態だとか。北海道が不漁ならば、国内の需要も 激減と。

日本のバカなマスコミは、すぐ「庶民の味が〜」とか言い出しますが。漁獲量が減ったり、需要が増えれば、値段が上がるのは当たり前です。それは、かつての大衆魚が高級魚になる歴史の中で、繰り返されていますから。江戸時代は「猫またぎ」と呼ばれたマグロのトロは、今では高級料理の代名詞に。鰻にしてもそうで。なのに、昔と同じ大衆魚としての値段で供給しろと、無茶なことを言うわけで。そんなことは不可能なのに。マスコミは大衆迎合なので、そういう大衆の愚かさを嗜めるどころか、あわよくば政府批判につなげようとする始末。

■日本と日本以外と■

日本人は、島国の村社会特有の〝ウチとソト〟の感覚を持っており、村の内側ではルールを守り道徳的でも、村の外に出ると旅の恥はかき捨てと、インモラルな行動に走りがちです。何しろ 江戸時代初期、アンコールワットを訪れた日本人一行が、落書きをしているほどですから。で、このウチとソトの感覚のまま、世界とは日本と日本以外と捉えていて。外国とは、日本以外のよくわからない世界と、考えがち。この感覚の延長線上に、英語さえ喋れれば、世界と対話できると考えるわけです。

実際には、世界には多種多様な言語があるのに、まだ日本語の能力さえ上手く発達していない小学生に、英語を教えるという、バカな……いや大バカことをやらかしてしまう理由です。そんな雑な感覚なので、外国が要因の物価高騰なども、政府が悪いと八つ当たりしてしまう。先の衆議院選挙の結果も、政治とお金の問題というよりも、因果関係を正しく理解できない大衆の、政府与党への八つ当たりです。プラス、物価の値上がりは庶民を苦しめる100%の悪という、素朴な経済観がありますから。

タコの足が八本だからと、政府に八つ当たりしても、八方塞がりになるだけかと。


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喜多野土竜
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