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有酸素運動をすると筋肉が落ちる?

◉有酸素運動を増やすと、筋肉が落ちるのか否か? これは昔から、よく論点になっているのですが。個人的な経験としては、強度と頻度の問題であって、筋肉が落ちるほどの有酸素運動はできない、と思っていましたが。それがデータで裏付けられた感じですね。

【有酸素運動をすると筋肉が落ちるという俗説の真実に迫る】ナゾロジー

「有酸素運動をすると筋肉が落ちる」

トレーニング界隈でよく話題になる俗説です。

この俗説を信じると、筋トレをメインにしたい人は有酸素運動をしない方がいいかのような印象を受けます。しかし実際のところどうなのでしょうか?

この俗説の真実に迫った研究結果が、カナダのクイーンズ大学(Queen’s University)らに所属する研究グループから発表されました。

その研究によると、確かにウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、一部の筋肉量を減らしていたようですが、それがそのまま俗説の支持には繋がらないようです。

本記事では、筋トレ愛好家が有酸素運動に抱いているイメージの真実を含めて、トレーニング界隈の俗説の真実に迫ります。

なお、今回の研究結果は、学術雑誌『Medicine & Science in Sports & Exercise』の2024年5月号に掲載されています。

https://nazology.net/archives/157209

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、AIの筋肉イラストです。

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■原因はトレーニング量?■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。現実問題として、ボディビルダーの多くが、コンテストに向けての激しい減量の中で、かなりの量の有酸素運動を取り入れていますから。ボディビルのコンテストは、ある意味で最も過酷な原料が強いられる面があります。階級制のスポーツ ならば、リミットまで体重が落ちればそれでOKですが。ボディビルの場合は、脂肪を削ぎ落として、筋肉が浮き立つまで、がっつり落としますから。ゴールが遠い。その場合、カロリー計算と有酸と運動が最大の武器になります。

合計175人の男女が週4~5回(1回30分程度)の頻度で3~6カ月間にわたり、ウォーキングやランニングに励んだ結果、全身の筋肉量が平均0.5kg減っていました。

ただし、減った部位に特徴があり、ウォーキングやジョギングであまり使われない上半身の筋肉量が減った(12.7kg→12.2kg)のに対し、使われた脚の筋肉量は全く減りませんでした(13.5kg→13.5kg)。

要するに有酸素運動では、ウォーキングやランニングが中心になりますから、脚の筋肉を使った動作がメインになります。何しろ 足の筋肉は、大腿四頭筋から大腿二頭筋、内転筋、大臀筋、腓腹筋、ヒラメ筋と、どれも巨大な筋肉群ですから。そっちを重点的に使うと必然的に、上半身の筋肉の練習量が、減ってしまいがちになりますね。これは 逆説的に、減量期に入って有酸素運動を増やしている時は、脚部のパワー系トレーニングを減らし、その分を上半身に回した方がよさげ。

■原因は摂取カロリー?■

興味深いのはこちらのレポート。減量する場合、どうしてもカロリー制限がかかった状態で、トレーニングしますし。一般的に、通常の摂取カロリーよりマイナス1000kcalぐらいで減量に入りますから。筋肉量が落ちるのは、有酸素運動が原因というよりも、摂取カロリーの現象が大きな要因に思えますね。一般の人が、十分な カロリーを取って、ウエイトトレーニングと有酸素運動を組み合わせる分には、有酸素運動が筋肉を落とすということは、なさそうです。

また別の実験結果では、参加者が体重を維持できる十分なカロリーを摂取しつつ有酸素運動を行った結果、有酸素運動で筋肉のサイズが増えたという報告もあります。

筋肉のサイズが増えたと言っても、ボディビルダー的な意味での筋肉量アップなのか、ミドルパワー中心の一般的な球技などのスポーツ選手における筋肉量アップなのか、持久力系種目の選手における筋肉量アップなのか、もっと細かいデータが欲しいところではありますが。こちらも個人的な経験ですが、減量時期に筋肉の栄養の飢餓感のタイミングと、栄養補給のタイミングがうまく合うと、筋肉が増えることはありましたね。

■瞬発力も持久力も適度に■

競輪選手でも、長距離トレーニングで、ラストの追い込みの瞬発力が上がったりするトレーニング方法があったりしますから。瞬発力系と持久力系のトレーニングに関しては、まだまだ未解明の部分がありますね。本人の筋肉の質も千差万別ですし。瞬発力系のスポーツ選手でも持久力系のトレーニングを組み合わせることで体調が良くなったり、逆に持久力系の選手が筋トレすることで、体幹部が強くなったり。ゼロイチで、単純に割り切れるものではないのは、間違いないでしょう。

実際、世界保健機関(WHO)も週2回の筋トレとは別に、週150~300分の有酸素運動(強度が高い場合には、週75~150分でも可)を最低限取り入れることを推奨しています。

こうやって見ると、1日30分程度のウォーキングや ランニングを取り入れつつ、週2回の筋トレという、自分が大学生だった30年前から、経験則としてはそんなに変わっていませんね。自分たちが現役学生の頃は、ロング・スロー・ディスタンス(LSD)も取り入れていましたが。歩くよりもちょっと早いぐらいの速度で、2時間以上。結果的に体脂肪が10%を割り、外腹斜筋が浮き上がるぐらい、絞ったものですが。あれほどの強度は必要ないということで。腹八分目で健康ライフ、と。


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