[詩]ラグナロック・モーメント
あなたを想う未来が消えてしまったのなら
こんな世界なんて瓦解してしまえばいい
ラグナロックの譜が響く黄昏
重ねた時を紡いで
ワンルームで交わしたキスを
忘れられないでいる
仄かに香るアロマが
あなたの陰を運ぶように
またねと呟いた
芯を冷やすような春の夜風
熱を帯びていく怒るディアブロのように
これは神の天罰とでもいうのかな?
あなたを想う未来が消えてしまったのなら
こんな世界なんて瓦解してしまえばいい
ラグナロックの譜が響く黄昏
奪われたあなたの魂
轢き殺した車に返せと叫ぶ
沸騰する忿懣
明日も描けると想った
何気ない日常を刹那に失い
幕が落ちるように
月に吠えた狼は引き金を弾く
リベンジを掲げてディアブロになろう
神を天から引きずり落とすために
あなたを見つめる日々が消えてしまったのなら
渾沌と言う名の洗剤で世界を洗い流す
ワルキューレの棺桶をくれてやる
2羽の渡鴉が鳴いた空の下で
イフリート黝い翅を燃やしている
月光に照らされるはずだった未来を
砂漠で涙を枯らし砂であなたを形作った
あなたを想う未来が消えてしまったのなら
こんな世界なんて瓦解してしまえばいい
ラグナロックの譜が響く黄昏
あなたを愛する未来が黝く塗りつぶされた
こんな腐った世界なら駆逐してしまう
ラグナロックの鉄槌を神々へ