学ぶことを、面白がっていられる幸せ
個人的に学ぶことがとても好きだ。知らなかったことを知ること、できなかったことができること、これにまさる娯楽はないと思っている。
娯楽として楽しいことに加えて、学ぶことで自分の収入が結果として増えたりすることもある。「結局金か」と言われればそれまでだけれど、膨らんだお財布は、しぼんだお財布よりはどうしようもなく魅力的。抗うことは難しい。
学ぶことを娯楽にできている点において、自分はずいぶんと得をしているなと思う。とにかく楽しい、そしてお金が増える(かもしれない)。
そして文字通り「趣味が高じて」、今は教える側に立って、他者が学ぶお手伝いをさせていただいている。偉くなったものだなと思いつつ、せっかくだから自分が教えている人には楽しく学んでもらおうと、日々ささやかな努力をしている。
しかし、しばらくそんな活動を続けていると、おそらく自分の性分もあるのだろうが、もっと深く「学ぶこと」ひいては「人間の成長」について考えてみたいという欲望が、むくむくと立ち上がるようになってきた。
そもそも「人が学び、成長する」というのは具体的にどういうプロセスを経て、どういった状態になることを指すのだろうか。
まだ確証はないけれど、僕は今2つの学問領域がこの疑問に答えてくれる可能性があると考えている。それが「脳神経科学」と「認知心理学」だ。成長した状態、そしてその状態にいたるまでの脳と心理の変化のプロセスを、科学的に解き明かすことがこの2つの領域で可能かもしれない。
だから今僕は、この2つの学問領域を面白がっている。初めは、疑問を解き明かすことが目的だったにもかかわらず、今はもう学ぶことが目的化している節さえある。それぐらい、僕にとっては馬鹿みたいに魅力的で面白い領域だった。
自分はまだまだ学ぶことを、いくらでも面白がれる。それだけでもう幸せ。やっぱりお得だなぁと思う。
というわけでしばらくの間、人間が成長することについてのお話を、ここに書き連ねて行こうと思う。誰かが面白がってくれれば、とても嬉しい。