人生の楽しみと老後の備え、うまくバランスが取れない
とあるブロガーさんの家計簿を見るのが楽しみだった時期があった。
一人暮らしなのにここまで支出を抑えられるのはすごい、
私が毎月散財してしまっている服飾・美容にほとんどお金を使っていない、
でも交際費はしっかり使っている、
とメリハリのある支出内容に憧れて、
自分も家計簿をつけてみて状況を把握するようになった。
他の項目とは比にならないレベルで使っていた美容費は代替案を試行錯誤しながらかなり削減できた。
スマホ料金を格安SIMにするなど、一般的に言われている節約方法は一通り実行した。
そうするとお金も少しずつではあるが貯まっていき、
一部を投資に回すことができるぐらいの余裕ができた。
保有していれば毎年もらえる優待や配当に味を占めて、
投資の割合を増やしていった。
昨年末には当初ぼんやりと考えていた目標資産額に到達したが、
「いや、目標達成はしたけど、これだと生活なんにも変わらんぞ?」
と思った。愕然とした。
物価が上がる分現金の価値は?
年金がもらえない前提で資産形成しないといけないのでは?
高齢者社会で介護費用や老人ホームの利用料は高くなる?
子供もいないし年齢差結婚だからお一人老後確実、
加齢によって今できていることができなくなった時にお金で解決するならどれぐらい必要?
そもそも定年まで勤め上げることが出来たとして、その後も働くべき?
年輩の方は口を揃えて「働くことは心身の健康にいい」「働かなくなったらボケる」と仰る。
一人暮らしでボケたらどうなる?
でも私は働くことが好きではない、でも自分の心身を健康に保てるようなコミュニティや趣味もない。
そもそも人と関わるのが億劫で苦手だ。
ただ時間や締切に縛られず、人と接して摩耗することもなく、
行きたいところやしたいことをいつでも出来るようにしたいだけ。
それだけのことを実現するのにはまだまだ課題が山積みだ。
でもその課題を一点突破できるのがお金だと思っている。
だから実現できるようにひたすらお金を貯めている。
が、最近これでいいのかがよくわからなくなってきた。
今まで見て見ぬふりをしてきたが、ついに表面化してきた。
「年を取るにつれて体力・気力ともに衰えるから、やりたいことや欲しいものは若いうちに楽しむべき。」
というご意見。
反論の余地なしの真っ当なご意見だ。
もう死んでしまった人に意見を聞くことはできないが、やはり同じ後悔があったのだろうか。
だからといって、楽しもうと思うと
昔自分が老後のことなど一切考えずに散財していたことを思い出し、
その状態に戻ってしまうのではないか、歯止めが効かなくなるんじゃないかと怖くなってしまい、結局お金を使うことができない。
アリとキリギリスの話を思い出し、キリギリスになるわけにはいかないとブレーキをかけてしまう。
もしお金が有り余ったまま死んだとしても、
少なくとも「お金の不安がない」状態で死ねるのはある意味幸せなのでは?
自分がいつ死ぬのか明確に提示されるのであれば、それに合わせてお金を使うことも出来るがそうではない。
いつ死ぬのかも、死ぬ瞬間まで何が必要になるのかもわからない、
そんな不確定要素が多い中で生きていかなくてはいけないのであれば、
少しでも保険があったほうが精神衛生上いいのではないか?とも思う。
そうして最低限の支出で済む生活を希望した結果、
1日が長く感じられて余計なことばかり考えてしまう。
しまいには人生この先数十年もあるのが長すぎて耐えられないといった極端な考えに行き着く。
昔はキラキラして見えていたものが
「マーケティングの為せる技、いかに消費者から搾取するか考えて作られている」と、偏った味方をするようになる。
食品や日用品などの生活必需品以外のものが、なんとなく罠を張っている悪者のように思えてくる。
老後とメンタルの安寧のために貯金しているのに、これでは本末転倒である。
どうすればいいのか、答えはもうわかっている。
何事もほどほどにすればいい。
文字にすると簡単に見えるが、まーーーー難しい。
ただでさえ極端に考えてしまう節があり、なおかつネガティブ思考な自分にはとても難しい。
その月の目標貯金額はほぼ達成しているのに、
「いや、もうちょっと貯めておいたほうが将来的にはいいのでは…」
と考えてやめた買い物、旅行がいくつあったか。
「今月は●●円貯金、他は自由に使ってヨシ!!!」
と決意を固めても、どうしても貯金に対して欲?が出てしまう。
なんの根拠もない、老後の妄想にばかり囚われて
「今」の自分が見えていない、認識に歪みがあるようでどうにもしんどい。
オチもないただの自分の現状報告ではあるが、
他にも同じような人がいるかな…
もしいたら寿命が来るときまで一緒に頑張りましょうね…と
菓子折りをそっとお渡ししたい気持ちだったので
noteに記録しておこうと思う。
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