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やっかいな食卓 〜つながる読書の記録〜
図書館で一度に借りられる本は10冊
膨大な本の中から10冊を選び出す時間・・・
本棚にずら〜っと並ぶ背表紙を
ゆっくり歩きながらじーっと見ていると
たまにピッとピントが合うことがあります
まさに一目惚れのように目が離せなくなる感じ
(きっと、その時気になってることに関する
言葉を拾っているのだと思いますが)
そういう本は面白い!
今の私に出会うべくして出会った、
読んでよかったと、
自分の選書眼に1人悦にいることもまた
読書の愉しみ・・・
この本もそう、ビビビ選書
(ビビビ婚ってもう言わないの?)
主人公の2人
嫁・ユキさんは
スタイリッシュなフードコーディネーター、
姑・凛子さんは
外交官の妻として長年の海外生活の中で
各国の料理を覚え、客人をもてなしてきた
料理上手、
同居することになっても、食事は別、台所も別、
お互いに干渉しない、と最初からバッチバチ
嫁、姑、別居からの同居、夫の兄姉、
母親の老い、と
自分と被る状況もあり
子供、仕事、と
自分にはないものもある
子供は大人のことをよく見ているし
やっぱり〝子は鎹〟なんだなぁと
思わずにはいられないし
親は親でやっぱり〝年の功〟には敵わない
「『家族』というのは面倒で、
うんざりするくらいややこしい。
でも・・・。まあ、しょうがないよなぁ。
つまり、そういうことだ。」
家族だからいいこともあるし
うまくいかないこともある
他人だから、友達だからこそ
うまくいくこともある
やっかいなことがあっても
毎日何か食べないとやっていけないし
それがおいしいものなら心まで癒される、はず
ふと思い出したのは
土井善晴さんの 「くらしのための料理学 」
家庭料理では、人が作ったもの、
家族が作ったものがそこにある、
ということが大事、
なんだけど、
たとえ一人暮らしでも
自分で料理をして友達を呼んで2人で食べたら
2人が「家族」になれる
現代は家族さえ信頼できなくなったから
一緒に生きていく仲間を作ればいい、と
「作る人」と「食べる人」
料理を通して、新しい家族、
信頼できる家族ができれば
そこには人間に必要な心の安らぎが生まれる、
というようなことが書いてあり
信頼、というのが
私にはとても印象的だったのです
信頼あるところに感謝あり
自然に「ありがとう」って言える関係なら
安心して暮らせます
ユキさん、凛子さんの設定上
出てくる料理は土井先生の提唱する
「一汁一菜」とはほど遠い感はありますが
どれもほんとにおいしそうで!!
1人で味わうもよし、みんなで食卓を囲むもよし、
「うまいもんはうまい」
昔の鶴瓶さんのCMを思い出しました