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デザインカンプ?カンプデータ?デザインデータというワードはどこへ消えたのか?

デザインカンプ、とか。カンプデータとか。
良く使いますよね。

【カンプ】とは、
印刷の仕上がり見本のこと。語源は「comprehensive layout(カンプリヘンシブ・レイアウト)」が転じたもの。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

カンプリヘンシブ・レイアウト【comprehensive layout】とは、完成時の印刷広告表現を、広告関係者・広告主に理解してもらうために作られる完成予想作品。 先行作業段階でいろいろ検討された内容が、完成時に十分反映されているかどうかを検討するためのもの。(出典: Weblio辞書)

カンプとは、制作物においてデザインやレイアウトを含めた仕上がりを具体的に示すために作られる完成見本のこと。 Webデザインの現場では「デザインカンプ」「モックアップ」と呼ばれたりすることもある。
(出典: OCA大阪デザイン&IT専門学校)

私は1999年ノストラダムスの大予言の年からDTPデザインに携わり、印刷・Webのデザインに関わってきましたので、カンプという言葉にはなじみがあります。

印刷では、たとえばAIデータを送付する際に仕上がり見本として、カンプデータを添付します。これは、「自分が意図していたのはこういうデザインですよ」という事を示すためのものです。

または、お客様に文字通り完成見本として提出する場合に利用します。

フォントや何らかのエラーで表示されないレイヤーがあっても、カンプデータを送っていれば、相違がある場合気づいてもらえます。

では、Webの現場ではどう使われてきたかというと、こちらも同じく、デザインデータをPSDやその他のソフトで作ったデータを送付する場合に、相手先にフォントがない環境の場合も完成図がわかるよう、カンプデータを添えます。

また、印刷と同じくお客様に完成見本としてカンプデータを提出することも良くありますよね。

ただ、最近この「カンプデータ」や「デザインカンプ」が
「デザインデータ」(PSDやXD)の意味のように使われることが自分の会社で局地的に大流行していて、とても気持ち悪い思いをしております。

どこから発生したかわからないこのカンプデータ問題は、調べてみたらTwitterでも大流行りしていて、これは・・と思ったものの、なぜこんなに大流行しているのか不明で、このままどうなるのかなーと注視しているところです。が、

出典元にも記載していた、コレ↓↓↓にもあるように、

カンプとは、制作物においてデザインやレイアウトを含めた仕上がりを具体的に示すために作られる完成見本のこと。 Webデザインの現場では「デザインカンプ」「モックアップ」と呼ばれたりすることもある。
(出典: OCA大阪デザイン&IT専門学校)

Webデザインの現場では、「デザインカンプ」「モックアップ」と呼ばれたりすることもある。と書いてあります。

このモックアップっていうのがくせもので、モックはモックで実物そっくりに作られた模型なのですが、近年はモックといいながらモックのデータがそのままサイトのデザインになっていくようなワークフローで進んでいる現場もあり、境界線がふわっとしてきたことから、「デザインカンプ」が「デザインデータ」に食い込んできたのかな~。なんて想像をしてしまいました。

言葉の定義なんて、流行りまくればそれが正になることもままあるので、「重複=じゅうふくOK」になってきたように、Webの現場ではそうなっちゃう、またはもうそうなっちゃってることも十分に考えておいたほうがいいのかしら・・などと思いつつ。

そもそもの言葉の意味や、「カンプ」の持つ役割を理解せずに言葉だけを先行して使ってしまうことで生じる齟齬や、共通言語で話せない状況を作り出すことによるコミュニケーションエラー発生にもつながるので、「ワークフローのデザイン」としては質が低いものになると感じています。

でも、気持ち悪いと感じても言えない…。言えないちいさな、ロートルです。



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