言語習得アプリで本当に学べるのか
Mogです。
今回のテーマは『言語習得アプリで本当に学べるのか』
言語習得アプリでも大手のDu★lingoを例にとっています。
日本語の生徒さんで、コロナ禍でロックダウン時にDu★lingoなどで日本語を始めたのはいいのだけれど、半年以上たっても分けわからないままで、レッスンを受けることに決めました。とレッスンを受講する動機を語った方がたくさんいらっしゃいます。
おもしろいのが、Du★lingoでの日本語プログラムは、英語ベースか中国語ベースしかないので、ドイツ人(とざっくり言ってしまいます)でも、英語ベースで皆さん学んでらっしゃるんですね。
ドイツにおける(しかも旧・西ドイツ側)一般的ドイツ人の英語話者のレベルは、半端なく高いです。その秘訣については、いつかまた。
今回は、言語習得アプリDu★lingoで、本当に0から外国語を学べるのか、について書いていきます。
個人的な経験に基づいているので、絶対にこうだ!ということは言えませんが、よかったら読んでみてください。
結論から言うと、言語習得アプリで言語習得は、非常に限りがあります。
生徒さんとも重なる私自身の経験から、主な理由を2点あげます。
私は、2年ほど前から韓国語をDu★lingoでやっています。なんなら毎日5分10分続ける習慣ができたので、一年以上毎日連続アプリ学習も達成しています。
で・も 実際に韓国人の方とお話しする機会があって、今、ここで、なにも見ずに、自己紹介やってみよ、と言われたら、数文しか言えないでしょう。
Du★lingoでのレベルと、実際の体感レベルの差がありすぎる理由に、アプリでの学習は、セルフスタディーベースなので、他者とのアウトプット機会がない、ということがまず挙げられます。【問題点1】
私は韓ドラを見るのが好きなので、アウトプット(学んだ単語や表現を実際に聞く)は、皆無ではありません。実際に、韓ドラを見ていて理解できる時も増えています。韓国語を始めた動機が、別に韓国に住むからではなく、単に好きなドラマがほぼほぼ韓国語なので、もっと直接的にわかりたいと思ったことなので、ある意味目的は果たしつつあるのですが、2年近く言語を学んでいて、他者にアウトプットできないというのは大きなデメリットだと、感じています。
【問題点2】は、アプリでレベルが上がれば上がるほど、文法の説明なしには、理解できなくなるのにもかかわらず、文法の説明はないことです。
Guideといって、例文を見ることができる機能はあります。しかし、韓国語の基本的な文型に関する説明はないので、韓国語を0から始めた私には、韓国語が『主語ありき+動詞ありき形(英語やドイツ語がこれです)』なのか、『主語なしOK+目的語+動詞文末形(日本語がこれです)』なのか、また違うスタイルなのかもわかりませんでした。
しかも、韓国語の言語ベースは私がスタートした時点では英語と中国語のみだったので、英語でやっているのですが、これがさらなる混乱も招いています。※2023年11月現在、日本語ベースでもできます。
私自身のこの経験から、日本語の生徒さん、英語の生徒さん(ほとんどが日本在住で日常生活に英語のない生活を送ってられます)のレッスン時には、いかに、生徒さんが持っているレベルの言語スキルで、自分で考えてアウトプットできるか、にフォーカスを置いています。また、文法の基本的な定型を、実際に口にする機会のある文を使うことも念頭に置いています。
言語習得には、インプットとアウトプットのバランスのとれた学習環境が必要です。どれだけ言語アプリやe-learningサイトなどが充実してきても、私の様な言語講師が必要とされることが減らない理由は、講師は、生徒さんの学習環境ができるだけバランスよくなるよう整えるお手伝いをすることができるから。ひるがえって、Du★lingoのような、無料で学習できるアプリがあるからこそ、ちょっと日本語に興味があって軽い気持ちで始めた人もいると思うので、異言語学習者の裾野を広げたという意味では、言語講師にとってはアプリ様様💛だったりもします。