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知ったかぶりでイベルメクチンを否定する医療ジャーナリストへの反論

挑戦的なタイトルだが、特段たいしたことを言うつもりはない。
最初に一応ことわっておくが、私はイベルメクチンがコロナの特効薬だと言うつもりもない。有効性には個人差もあるだろう。ただ、個人的な体感としては、カロナール飲むぐらいならイベルメクチンのほうがいいんじゃないかな?という認識だ。


PRESIDENT Onlineの記事

数日前にヤフーニュースでおもしろい記事を見つけた。

ほう、記事の出処は「意識高い系」御用達のPRESIDENT Onlineか。
で、何が書いてあるかというと、詳細はリンク先を読んでいただくとして、記事の要点はだいたい次の通り。

イベルメクチンの臨床試験

  1. イベルメクチン騒動からの教訓:マウス研究は治療の可能性に過ぎず、臨床試験が必要。

  2. 胆管がん治療には既に効果のある薬が存在し、イベルメクチンの臨床試験は行われていない。

  3. 兵庫県の医師はイベルメクチンの処方によりコロナ患者の死亡ゼロを主張しているが、国内の臨床試験では有効性は実証されていない。

イベルメクチンの有害性および、信頼性の欠如

  1. 個人輸入によるイベルメクチンの服用が増え、過剰服用や重篤な副作が報告されている。

  2. イベルメクチンへの期待感は、日本発見とノーベル賞受賞、科学的な根拠があるという要素によるものであるが、イベルメクチンの臨床試験や研究は不正や誤りが多く、信頼性に欠けている。

イベルメクチン騒動からの教訓

  1. 新型コロナワクチンに関するデマが広まり、注意が必要。

  2. 医療情報のデマには科学的な装いがある。

  3. デマを見破るためには客観的なファクトチェックと情報発信者の信頼性確認が重要。

まぁ、新コロの馬鹿騒ぎでメディアに踊らされた人たちは真に受けてしまいそうな、もっともらしい説明だろう。だが、新コロ騒動のバカバカしさ、コロナワクチンの胡散臭さ、危なさに気づいてしまった人にとっては、この記事はツッコミどころ満載だろう。

ちなみに、この記事書いたのはこんな人。一応、ジャーナリストとして受賞歴もある人なんだね。

さて、上記要点の順にツッコミを入れてみる。

イベルメクチンの臨床試験(治験)について

ほんとに臨床試験やっていないのか?イベルメクチンの日本での臨床試験について、bingのAIに聞いてみた。

臨床試験はやっているようだ。
上記のうち、2つ目が目的に合っていそうなので検索。リンク先はここ。
臨床研究等提出・公開システム (niph.go.jp)

これは山岡教授が実施した北里大学の臨床試験

北里大学の臨床研究・治験計画情報から抜粋

医薬品として承認を受けるには、試験薬とプラセボ(偽薬)を、無作為に2つのグループに分けた患者たちに投与して比較する「ランダム化比較試験(=通称RCT)」が必要となる。最も質が高いとされるのは、複数のRCTを解析した「メタアナリシス」だ。

岩澤氏の記事より

確かにこの試験はランダム化比較試験(RCT)のようだ。
だが、本当にこの試験が信頼性の高い「質の高い試験」なのだろうか?

北里大の治験は、発症9日後にイベルメクチン投与、興和治験は、発症者が施設に搬入後3、4日後の投与(厚労省の指示、興和治験論文に記載)。 つまり、体内のウイルス死滅後(コロナウイルスは、発症後3.5日でほぼ死滅する)に投与されていて、あらかじめイベルメクチンの効果が検証できないよう工夫された条件下での偽治験だった。 ちなみに、インフル経口薬タミフルの治験は、発症後1.5日に投与されていた。 岡秀昭はこれをどう説明するか。

ヤフーニューコメント欄より

最近では興和の治験が有名だが、ヤフコメにもあるように、これはインチキ治験というしかない内容。

日本で行われた興和の治験で、イベルメクチンが無効である、と早合点してしまったひとが多かったようですが、そうではありません。興和の社長も会見で実際に述べたように、この治験では、有効性を導き出せなかった、ということこそが結論です。なぜ、既存の多くのイベルメクチンの有効性を示した論文と異なり、いい結果が出せなかったのか、というと、 1)既にコロナが弱毒化しており、プラセボ群でも、重症化したひとが一人もいなかった。 2)発症から平均4日後に薬が投与されたために、プラセボ群でも、症状がすぐになくなってしまった。 これでは差が出ないのは当然です。< 興和の治験の正確な結論は、 <コロナは弱毒化しており、治療薬は不要>ということであり、どこがどうなると、<イベルメクチンがコロナに無効>になるのかさっぱりわかりません。 やはり、イベルメクチン潰し、悪意があるとしか思えませんね。

ヤフーニューコメント欄より


ヤフコメだからと馬鹿にしてはいけない。イベルメクチンやコロナワクチンに関しては、そこらの知ったかぶりで認知バイアスにはまった医者よりも、一般市民のほうがよっぽど勉強している。

こんなヘボい臨床試験の内容と、300人以上の患者と直接向き合い治療にあたってきた長尾医師を比べるのは、長尾医師に対して失礼というものだろう。
ちょっと脱線するが、モノづくりの現場においては「現地現物」で事実を把握し、「原理原則」に基づいて行動する仕事のやり方が日本の製造業の強みとされてきた。私は今でもそう思っている。これは医療の現場でも当てはまると思っていて、日々患者と向き合う臨床医の主張を軽んずるのはいかがなものかと思う。ろくに患者も診ない「ジャーナリスト」とやらが、他人のふんどしでいくら能書き垂れても信じるに値しないのである

イベルメクチンの有害性および、信頼性について

岩澤氏は、これでもかこれでもかと、イベルメクチンをディスる文章を書き連ねているが、よく見るとほとんどすべての内容が他人の受け売りであることに気づく。要するに定見もなく、どこかの権威の言説に乗っかっているだけ。こういう手合いがジャーナリストを名乗るのは恥ずかしくないのか?

イベルメクチンは副作用が比較的少ないとされているが、それは寄生虫治療などでの1回、または2回の少量投与に限った話だ。アメリカでは大量のイベルメクチンを服用して、血圧低下や昏睡(こんすい)に至った、重篤な副作用が相次いで報告され、CDC(米国疾病予防管理センター)が注意を呼びかけた。  イベルメクチンはパッケージ(商品名:ストロメクトール)に、赤文字で記載されているとおり、「劇薬」であり、各個人の判断で服用するのは極めて危険な行為なのだ

岩澤氏の記事より

出た! イベルメクチンは「劇薬」。 あのね、たいていの医薬品は「劇薬扱い」だということを知らないのかね? 医師の処方箋がなくても薬局で買える解熱剤のカロナールだって劇薬なんだが。

イベルメクチンの有効性を示す世界各地の論文について、専門家が調査した結果、不正が次々と明らかになっている。  イギリスのBBCは、2021年10月、イベルメクチンの主要な臨床試験26のうち、3分の1以上に深刻な誤りや不正行為があり、イベルメクチンが新型コロナによる死亡を防ぐとする臨床試験の全てに「明らかな捏造(ねつぞう)の兆候、重大な誤りがあった」と指摘した。 「イベルメクチンが効く」という科学的な体裁は、見せかけのハリボテだったのである。

岩澤氏の記事より

コロワクを推進しワクチン薬害をデマと報じてきたBBCの言うことを鵜呑みにしているのも笑える。NHK信者もそうだが、公共放送の言っていることは常に正しいという、認知バイアスに陥った好例であろう。

長尾医師は「300人のコロナ患者にイベルメクチンを投与して治った、だから効く」と公言する。その言葉を信じた人も多いようだが、ここにも誤解が潜んでいるという。  「私が対応した患者の中には、イベルメクチンを服用しても、重症化して入院した人もいました。コロナ患者の大半は、数日のうちに苦しい症状は治ります。臨床試験でイベルメクチンを投与した人とプラセボ(偽薬)に差が出なかったように、イベルメクチンで治ったというのは思い込みではないでしょうか」(岡秀昭教授)

岩澤氏の記事より

ヤフコメの冒頭に出てくる「公認専門家」岡秀昭氏は、コロナワクチン推進派としても知られている。そういう人が言うことを信じろと言われても・・・。こういう権威筋の言うことを鵜呑みにする医者も多いのだろう。だから日本のコロナは収束しないのかもしれない。

同じ医師でも、ちゃんと原理原則に従い本質を追究している人はいるし、ウィルス学や免疫学の一流の研究者の意見は、多分岩澤氏の見解とは違うだろうと思う。

私がTwitterでフォローしているmolbio08さんもそのひとり。かなり長いスレッドかつ、専門用語が多いので読むのに根気が要るが。

結論はここ。イベルメクチンはコロナワクチン(mRNA型生物製剤)の副作用である血栓の生成抑止に効果がある可能性を示唆。

この方も

東京都医師会もいいこと言っているんだが、北里大の治験を当てにしているのが残念。

https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/press_conference/application/pdf/20210309-5.pdf

東京都医師会の発表資料より

図中の赤いのがイベルメクチン。 

①ウィルスの侵入阻止 ②ウィルスの複製阻止 ③免疫系のコントロール という機能があるらしい。

The Journal of Antibiotics より


新型コロナワクチンに関するデマについて

まぁ、こういう文章を書く時点で、このジャーナリストの程度が知れる。

前出の岡秀昭教授は、イベルメクチンをめぐる騒動から、誤った情報が簡単に流布されてしまう現実に危機感を抱いていた。  「イベルメクチンだけでなく、最近は新型コロナのワクチンに関するデマが横行しています。『不妊の原因になる』『かえって新型コロナに感染しやすくなる』『がんになる』……すべて事実無根ですが、こうしたデマを信じてワクチンを回避する風潮が出てきました。イベルメクチンのようにイメージが先行したり、SNSで情報が大量に飛び交ったとしても、冷静に見極める目を養ってほしい。決して容易いことではありませんが、正しい情報を判断することは、ご自分の命を守ることに繋がるはずです」  医療情報に紛れ込んでいるデマには、一見すると科学の体裁を整えているものが多い。  そのデマを信じ込んで情報を拡散してしまう行為は、ご自身や他の人の命さえも危険に晒すことになる。  デマを見破る方法としては、まず客観的なファクトチェックを行うこと。そして情報の発信者が本当に信頼できる専門家であるか、経歴、業績に加えて「情報との利害関係」を調べることをお勧めしたい。

岩澤氏の記事より

この、岡秀昭教授(コロナワクチン推進派)という人物は胡散臭いこと甚だしい。
ワクチンに関するデマと言っているが、上記太字箇所はデマではなく、すでに顕在化した問題である。厚労省は「現時点では、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える程の重大な懸念は認められないとされました。」と結論づけているが、お前らは何様のつもりだ? 2000人以上死んでるんだが。
こういうことをきちんと報道せずに、イベルメクチン叩きをやっているマスコミ連中を、私は断固として信用しない。


厚労省ホームページより抜粋

政治・メディア・専門家によって築き上げられたデタラメな世界

最初にも言ったが、私はイベルメクチンをコロナの特効薬だと絶対的に信じているわけではない。イベルメクチンが効く、効かないは、個人差もあって、断言できるものではない。ただし、以下の事実は置いておく。
私も嫁も5月にコロナに感染した。嫁はイベルメクチンを信じていなかったので、毎日飲むサプリに仕込んでおいた。私も嫁も発症から2日で平熱に。イベルメクチンの効果かどうかはわからないが、否定する材料ではない。 ちなみに妹夫婦は1日で平熱になったそうな。

イベルメクチンがコロナに「効かない」と断言する人たちは、何をもってそう断言できるのか? 杉原さんのコメント 「新型コロナはこうした政治、メディア、専門家たちの共同作業によって、壮大でデタラメな世界を築き上げていった。」に同感。

Twitterより

3年半におよぶコロナ騒動の中で、我々は色々なことを学んできた。
今回の記事に限らず、マスコミが流す情報にはまず疑いの目で見ることが大切だと思う。

まず、素朴な疑問をもつこと
・イベルメクチンはこれほど叩かれるのに、ラゲブリオ(モルヌピラビル)は叩かれないのか? ラゲブリオは、その副作用で何十人もの死者が出ている。そもそも日本でまともな審査を通っていない新薬がなぜ使われているのか?
コロナ治療薬のラゲブリオで死亡が多発している (k-doujou.com)
・コロナワクチンの副作用で何千人も死んでいるのに、ほとんどが「因果関係は不明」となっているのはなぜか?
・日本の超過死亡がとんでもないことになっているのに、なぜマスコミはそのことをまともに報道しないのか?
https://note.com/saturn_walker/n/n1f7d26b3e139

テレビ・新聞ばかりが洗脳装置ではない
よく、「老人はテレビしか見ない情弱」といった言い方をする人がいるが、実はその人の情報源もネットからの受け売りだったりする。ヤフーニュースに限らず、PRESIDENT Online、BuzzFeed Japan、東洋経済 online、DIAMOND onlineなど、ちょっと意識高い系の勘違い君が好んで見そうなサイトである。
これらのメディアが、コロナの危機を煽り、「ファクトチェック」と称して、ワクチン薬害を訴える人たちを「陰謀論者」扱いしてきたのだが・・。
ちなみに、以下はDIAMOND onlineの本日のアクセスランキング。
「できる人が必ずやっている、たったひとつの◯◯」といった、よくありがちなハウツーものが多いが、これを真に受けること自体、負け組半分確定だと、私は思う。お手軽なノウハウをネットで借りてきて、楽なほうに流され、自分でものを考えない人間を量産していやしないか?
要するに、知らず知らずのあいだに洗脳されているということだ。

終わりに

今回はたまたま題材がイベルメクチンだったが、一事が万事である。
コロナワクチン、マスク、マイナンバーカード、昆虫食、LGBT、気候変動問題、ウクライナ戦争・・・
政治家や「専門家」は、マスメディアを通じて偏ったおかしな考えを我々に吹き込んで来る。「なんかおかしいぞ」と思う、自分の直感、肌感覚を研ぎ澄まし、油断なく物事を見ていきたいものだ。


「世界的な危機」という詐欺パターンについてNick Hudson氏が語る
コロナも気候変動問題も同じ


おもしろい、読みやすい、勉強になるの三拍子

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イベルメクチンが効かないと主張する人は、このグラフをどう説明するのだろうか? 興味深い。




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