コロナ禍での旅行

今のこのコロナの状況で、批判があるでしょうけれど書きます。最近は娘ちゃん関係の心労が絶えずシンドイです。

娘ちゃんが、大学が始まる前に、彼氏とその友人の男の子と3人で、南フランスへ旅行に行くと言います。前に会った時から「旅行へ行く」とは言っていました。
その行先が、南フランスなのです。

フランスでは今、コロナの1日での新規感染者が9000人以上などが続いている状態です。
この状態のフランスに?!

娘ちゃんが行こうとしているのは南フランスの田舎で、お母さん(元嫁)側の祖父が持つ別荘があるのです。そこに泊まる予定で、確かにその周りは自然が多く、人は少ない場所です。百歩譲って、別荘ですしそこまで車で行ってしまえるのならまだしも、交通手段は電車。

夫も私も「なにも今フランスへ行かなくても。」という意見です。万が一、コロナにかかってしまったら?という彼女自身への心配もありますが、コロナをドイツへ持って帰ってしまったら?他の人に広めてしまったら?同居する家族は?(特に、お母さん(元嫁)は、学校の先生)など、他の人達へのリスクの大きさを考えてしまいます。

娘ちゃんに、夫が電話で話をしました。
けれど、「自分達は気をつけるからコロナにはならない、だから大丈夫。」なのだそうです。周りの他の大人達からどう言われているのかは知りませんが、もしかしたら他からも旅行についてなにか言われているのかも知れません。夫と話した時には「気をつけるって言ってるでしょ!電車のチケットだってわざわざ高いものを買って、何かあればいつでも帰れるように1ヵ月間どこでも利用可能なものにしてある!帰ったらコロナテスト受けるし!」と興奮状態です。

夫も私も、旅行がダメだと言っているのではありません。旅行先が今のフランスでなければならないという必要性が見えず、しかも電車移動だからです。別荘の売却予定があるでもなし。

コロナの環境下では、行動を自制する人と、自分は大丈夫と行動してしまう人が出ます。おそらく、行動しても、多くの場合が実際には大丈夫なのでしょう。けれど、そういう人達が増えれば、大丈夫ではないケースも増えて、結果コロナはいつまで経っても収まらない事になってしまいます。
私からもそうメッセージに書いて、「あなたはよく考えたの?今のフランスに行くの?」と送りました。ですが、夫との電話で「萌は私のことを他の人のことを考えないエゴイストのように書いてきたけれど、私はエゴイストじゃない!」と言われてしまいました。
私はメッセージにエゴイストという強い言葉は使いませんでしたが、確かに暗に「エゴイストと同じではないのですか?」と問う内容で送っていました。実際に娘ちゃんがその内容を読んで「エゴイストなの?!エゴイストと思われているの?!」と感じ考えてくれたのなら、答えはどうであれ送った意味がありました。余り周りがギャンギャン言うのも余計に混乱させてしまうでしょうし、継母という立場では言いにくいのもありますから、このメッセージも正直送ることを迷ったものです。両親だけに任せて何も言わない方がいいかしら、とも思いましたが、旅行のお土産話は私も今後聞くわけだし、旅行に行くという話は私も聞いていましたから、私も「賛成ではない」という立場は伝えておこう、それでも強行するのなら、「せめて、皆が “楽しんでおいでね” と送り出してくれる旅行ではない、と知っておいてもらいたい」と思うので、送ったことに後悔はないです。

夫が聞けば、旅行は4週間といいます。
4週間も期間を予定しているのなら、そして電車のチケットも1ヶ月有効なものにしてあると言うのなら、今の状況が改善されるのかどうか、1、2週間先ずは様子を見てみることも出来るのではないのでしょうか。そもそも旅行先をフランスではなくドイツ国内にするとか、コロナが酷くない他の国もあるでしょう。かかる時にはかかってしまうものとして感染者数は関係ないと考えるのか、それでもリスクはなるべく低い方を選ぶのか、この違いは果たして小さなことなのでしょうか。

娘ちゃんが南フランスに行きたいのは、行き慣れた場所に彼氏達を連れて行って案内したいというのもあるかも知れませんが、先ず「宿泊料がかからない」から。お金を抑えたいのなら、「他の場所にすると宿泊料がかかる」と言うのなら、4週間ではなく2週間にするとか、予算内に納めるようにも工夫は出来るはずです。
それをしないのは、自分だけではなく彼氏とその友人の意思も含めて判断しなくてはならないややこしさはあるにせよ、やはり自分達のしたいことを優先させて行動するからではないのでしょうか。

夫の電話での説得も効果はなく、今日、南フランスへ旅立ったようです。メッセージで「今から携帯では繋がりにくくなる。連絡はメールかインターネットを通したメッセージでしてね。」と送られてきましたから。

今が成長途中であることもわかっています。
本人達なりにコロナに対する予防策を考案しているのもわかります。でも「自分達の欲求はそのままで出来る予防策」しか出てこなかったのです。
自我が強くでだして、18歳からは成人だ!と自分の判断で行動することが多くなり、周りから行動について指摘される(否定的な意見をもらう)ことも増え、どうして解ってくれないのか!という反発や悔しさがある時期なのかも知れません。
こういう時期を「娘は今、難しい時期で…。」というのでしょうか。親側も、個人として違った考えを持ち行動するようになる娘を認めていく過程なのでしょうか。
そしてドイツでは、「成人したら自己責任」という意識がとても強いと感じます。娘ちゃんからだけではなく、親である夫も「18歳を過ぎているから親が禁止することはできない。」と言います。「説得は試みても、判断は娘がすることでダメだとは言えない。」だそうです。それは個人を尊重することでもありますが、もうハッキリと「成人したら親の監督下ではない」ということなのだと思います。でも経済面は親任せ…←済みません。別方向からの愚痴がポロリ。

コロナという特殊な状況下で、娘ちゃんが自分の欲求を優先させたことを残念に思います。ですが、成人しているのだから自己責任。もう何があっても娘ちゃん自身の問題なのです。(…と、自分に言い聞かせる日々です。世界には色々な考えの人が存在しますが、身内に、自分から見れば「そうはなって欲しくはない」という方向へ行かれると、どちらが良し悪しという問題でなくとも葛藤は生まれるものなのでしょうね。)
この旅行がただ楽しく終わってしまったら、「ほら、大丈夫だったじゃない!」で終わってしまうのでしょうか。コロナにかかればいいとまでは決して思いませんが、やはり何かあった時に、自分自身の問題だけでは済まないのがコロナ、感染者数や他の人へのリスクを考えても強行するだけの理由のある旅行だったのか、せめて、娘ちゃんがしっかりそれらについて考えを巡らせてくれるような、学びの思い出になってくれると良いなと思うばかりです。


皆様も、どうぞ健康にはお気をつけてお過ごしください。



2020年9月19日 (9月21日改正)


いいなと思ったら応援しよう!

北川 萌子
ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。