継息子、大学進学前の1年間のお休みについて/2ヶ月間我が家滞在中
Abiアビ(大学入学資格)をとり、今年7月頭に無事に高校を卒業した継息子くん。
将来つきたい仕事があるそうです。
目標があってよかった!
が、しかし、直ぐに大学(もしくは専門学校)へは行かず、1年間、先ずはやりたい事があるそうな。
… あら、聞いた事があるわね …
… デジャブ?
そうです。彼よりも3歳年上の継娘の時、彼女も言っていました「1年間お休みしたい」って。
ここ、ドイツでは、大学に入る準備は整っているにも関わらず、自らが希望して大学進学前に1年間休むお子達も多いのです。
ではその1年間、何をするのかと言いますと、
①『贅沢編』… 無収入の出費のみ。いわゆる世界旅行など、「娯楽を通して人生経験を積む」
②『現実主義編』… 場合により無収入or収入有り。将来つきたい仕事を見極める為に「興味のある職種で職場体験をする」
③『欲求消費編』… 場合により無収入or収入有り。将来つきたい仕事とは別にやってみたい事があるので「今それをやっておく」
などでしょうか。
日本の「浪人生」とはまた意味が違います。そもそも、ドイツでは大学入学資格のアビ(ドイツ国内共通) をとると、そのアビの結果で大学が取るか取らないかの判断をするので日本みたいな大学別「入試」がないのですよ。頑張るのはアビ。アビの結果が全てです。なので「浪人して大学試験を頑張る」とかは無いのです。
日本人からすると「お休みって…何?」ですけれど、
例えば休憩期間に何をしたか、社会貢献をした、とか、人生経験を積んだ、とか、その内容によっては大学入試や就職の際にプラスの判断に役立つ場合もあるようです。勿論、ただ遊び呆けた1年間であれば、マイナスな印象を与える可能性もあります。
なので、「1年間お休みする」といっても、その内容が重要なのです。
継娘の時は、③の無収入パターンでした。( 過去記事有り ) ただ、その後もグラグラと決断は揺れて、結果、養育費絡みの問題も有り、私にとっては大変ストレスフルな日々を過ごす羽目になりました。
今では試行錯誤の末に固まった将来の夢に向かって頑張っているので、応援するのみですけれども。
私達はお金を払える払えないに関わらず、教育方針として、例えば①を支援するつもりはありません。
娯楽を通して人生経験を積みたいと思うなら、資金調達、その間の生活も含めて自己責任ですべきと思うからです。その上でやりたいと言うのなら反対はせず、応援します。
継娘には当時「自分はやりたいことをするけれど、経済面は両親負担で。」という考えがあり、何度も話し合う事になりました。
継息子は、私達夫婦と継娘の間で行われた数々の話し合いの様子を目にした影響か、はたまた彼自身のキャラクターからか、「1年間休んでやりたい事がある」とは言うものの、しっかりと経済面も考慮してくれているようです。
夫も継息子と、ことある毎に『やりたい事があるのなら応援はするけれど、学業以外の「ただ自分がやりたい事」は親からの養育費をあてにはせずに、自分で経済面も責任を持って決断するように。』と話をしてくれていました。
継息子は10月から、「お部屋と食事提供有りで、多少のお給料も出る職場ボランティア」に来年の3月まで参加予定です。
夫と息子で話もして、「養育費は、この1年間も今まで通り払い続けるけれど、その後の学校期間の為に使わず貯金しておくように。1年間のお休みに関わらず、予定の年数(そのまま大学へ行っていた場合と同じ期間)で終えるよ。」となっています。
継息子は昔から欲しい物が高額であれば「お小遣いを貯めて(又はバイトをしてお金を工面して)買う」が出来ていた子ですし、身体を動かして自分でお金を稼ぐことに意欲を見せるタイプなので、私も余り心配はしていません。
そして継息子は卒業式を終えた後、彼女と2週間ほどフランス旅行をしたりと自由に遊び、8月から我が家に滞在中なのです。( 同い年の彼女は、7月末から1年間の契約で外国へ職業訓練に行きました。)
8月、9月の2ヶ月間を我が家で過ごすと言うので、正直「ひぇ〜!長すぎ!」と思った…いや、今でも思う私ですが、継息子は夫と同じ仕事に長期休暇アルバイト登録をし、親子で頑張って働いています。
仕事とはいえ親子の時間にはなるし、夫は息子に働いている姿を見せられて嬉しいし、継息子もお金を稼げるし、継息子が2ヶ月間ダラダラと過ごすのではなくテキパキと生活してくれて良いと思います。
1ヶ月半が経ちましたが、お互いに気を遣いながら上手く過ごせてはいます。
ただ、人ひとり増えるだけで、こんなにも食器洗い&洗濯物が増えるのか、いつもはいない人が居るだけで気が休まらない、嗅ぎ慣れない匂い(臭い)、更に、職場のゴタゴタが ドーン! で流石に私には疲れが出てきています。夫や継息子も疲れて来ているのではないかと思うのですが、どうなのでしょう。
私に至っては最近、些細なことでイラッとし易くなっていると感じるので、気をつけて過ごすようにしています。
後半月、私は夫との触れ合いも減って(普段ベッタリ過ごし過ぎ説もありますが)寂しさも募っているので、早く2人生活に戻りたいのが本音です。
継息子くんと夫にとっては貴重な時間。
私にとっては、うーん、継息子くんとより近づけた感は有りますが、うーん… 将来的にはこの時間もパッチワークファミリーとしての絆の面でプラスになる、という気はします。
歯切れが悪いですけれど、夫には大変な面があったとしても実親としての喜びが有りますから、比重は 大変<喜び なのでしょうけれども、私にはまだ 大変>喜び なのですよね…。多分、私にとってはまだ楽しい時間が 夫婦で過ごす>継子込みで過ごす なのです。
それがいつか、もっともっと歳をとって、「夫婦だけでは単調な生活だな」「誰か遊びに来てくれないかな」となった時には、継子達の訪問を今より楽しめるのだと思います。それに、いつかは継子達に頼る事もあると思います。介護とかではなくて(介護はむしろ頼りたくない)、今ですらついていけないコンピューターの事とか、重い棚の移動とか?
あ、でも今回の滞在中に流れで「悲しみに耐えられそうにないし、私は夫よりも先に亡くなりたい。」という話になって、夫から「なんと我が儘な!じゃあ僕はそれに耐えろと…。」と言うので「貴方には子供達がいるじゃない。私にはいないのよ。」と返したら、継息子くんが即座に「僕達がいるじゃない!萌が1人になったら僕達が面倒をみるよ。」と言ってくれて、びっくりしました。ああ、距離を取っているのは私か…と複雑な心境でした。
継娘も継息子も、芯が優しい子達なので、私がひとりぼっちになったら本当にほったらかしにはしない気がします。けれど、それでいいのか。両親以外でまで高齢者負担をかけたいわけでは無いのです。ドイツ語をいつまで話すことが出来るのかもわからないし。
…とまあ、どうなるかもわからない未来のことは置いといて。
この2ヶ月間が、夫や継息子の中で、楽しかったな、充実していたなって思い出に残るように、滞在を無事に終えたいと思います。
2023年9月17日