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春の連れ子滞在

今朝、子供達はお母さん(元嫁)と暮らす街へ帰って行きました。

今回の滞在は1週間と短く(1週間でも私達の感覚からすると短い)、あっという間に過ぎました。私も疲れ切る前に滞在終了となり、このくらいならお互いに心地いいままで過ごし、お別れする事が出来ます。

そんな今回の滞在中のテーマは大きく2点でした。

1点目: “娘ちゃんの言動で気になる傾向”

今回の滞在中、子供達は「お母さん(元嫁)側の祖母に会いたい。」と言っており、こちらに来る前から水曜の夕方に会いに行く予定を立てていました。

でも水曜は、夫も私も普通に仕事の日です。我が家は田舎にあり交通の便が良くなく、1時間に1本のバスを1時間ほどかけて乗り継いで街に出ます。

街に住む祖母の家まで子供達だけでどうやって行くのか。私はバスで行けばいいと思ったのですが、夫がコロナでバス移動は避けたいと言い、夫の仕事が街方面なので、朝、出勤時に子供達も連れて出て、街に近い(夫の)実家に届けておき、子供達はそこから路面電車で街へ出るのはどうだろう、となりました。

夫のお母さん(私のお義母さん)に子供達を預けてもいいか了承をとろうとした時、娘ちゃんがすかさず「街まで車で送ってくれるよね!」とお義母さん(娘ちゃんからしたら祖母)に直接言うのです。お義母さんは戸惑って話を逸らすものの、娘ちゃんは「送ってくれるでしょ!」「行きはお婆ちゃんが送ってくれるから…。」と送ってくれるものとして話を進めていきます。

私は娘ちゃんに「お義母さん、最近、目の手術と高齢で車の運転は極力避けているの。だから自分達で路面電車で移動してね。」と伝えました。すると「そうなんだ、わかった。」と言うのでほっとしたのも束の間、「じゃあお爺ちゃんに頼めばいいよね!」と言うのです。

違う、そうじゃないんだ…。

娘ちゃんが「路面電車で行くね。」と伝えた時に、お義母さんから「それなら車で送るよ!」と提案をもらったら「ありがとう。」ですけれども。軽く「送ってもらえると助かるのだけれど。」と聞くくらいならまだしも、送ってくれることを前提に言い切る、しかも相手が躊躇いを示しているのに更に言葉で押す押すっ!

子供達の訪ねたい家は、街の路面電車の駅から少し離れていて、歩かなければいけないのです。車で家の前まで送ってもらえたらその方が断然楽です。ですが、自分が楽をする(助けてもらう)代わりに誰かが労力を使う事になる場合、助けてもらう側から押し付けるのは違うと思うのです。娘ちゃんからすると「嫌だと断られたらそれはそれで!」とさっぱりしているつもりなのですが、軽く尋ねるだけに留まらず押し付けているように感じる場面が今までにも度々あって、どうも気になります。

これはもう父親である夫と話し合った後で、夫もそれでいいというなら「今回は路面電車で行ってきて。」という話と共に、気になる点を本人に話そうと思っていました。

するとその前に、元嫁から娘ちゃんに「やっぱりお母さん(子供達からすると祖母)には会いに行かないで欲しい。」と連絡が入りました。何故なら、息子くんがここへ、学校行事で訪ねていたスイスから直接移動して来ていたから。コロナ感染リスクを心配しているのです。

すると娘ちゃんは「スイスから来ることも前からわかっていた事なのに。それでも同意していたのになぜ今更!コロナの簡易検査も受けているのに。」とぷりっとなってしまいました。元嫁に「どうして娘にはわからないのかしら!」と言われて、更に「どうして私が悪いみたいに?!」とぷりぷりがヒートアップしていました。

多分、元嫁はずっと訪問に賛成ではなかったのだと思うのです。でも娘ちゃんが言葉で押して、押されたお母さん(元嫁)は渋々頷き、でも暫く経つとやはり辞めておいて欲しい…となったのだと思います。何故なら、言葉で押された結果頷いたから。本人の自由意志ではなく無意識の中での強制の元に頷いているから本当には納得できていないから気持ちがまた覆りやすいのです。

娘ちゃんに「お母さん(元嫁)はそもそも乗り気じゃなかったんじゃないの?」と聞いたら「そうだけど…。」と言っていたので間違いない気がします。

娘ちゃんからすると、あーだしこーだし(お婆ちゃんと長く会えていない、直ぐに会える距離じゃ無い、お婆ちゃん自身は会ってもいいと言っている、etc.)と訪問したい理由を述べて、更にこうでこうだからコロナも大丈夫!(お婆ちゃんはワクチン接種した、自分も弟も簡易コロナテスト受けた、萌も職場でテスト受けて陰性、私達はかなり安全!)と自分の意見を伝えて相手を納得させたつもりなのかも知れませんが、相手にゆっくり納得させる時間を与えず弾丸のように言葉を叩きつけて得た頷きは、その時だけの圧迫により導かれた答えに過ぎず、後々変化してしまう可能性が高まります。娘ちゃんからすると「あの時は頷いたのに今更!」ですが、優柔不断な相手の場合もあるでしょうが、娘ちゃん自身が自分の意見をほぼ無理矢理押し通している事に、本人は気づいていないのです。家族や周りの友人が後からよく賛同を覆してくるな…という場合は、このパターンが考えられるように思います。

「コロナは命に関わる問題だから、誰か1人でも会うのに反対する人が居るのなら会わない方がいいと思うよ。」と伝えると、娘ちゃんも「自分もそう思うけど…。」と言います。「娘ちゃんは大丈夫だと思っていても、お母さん(元嫁)は不安だと思っているんだよね。娘ちゃんのお婆ちゃんに会いたいという希望もだけど、お母さんの“不安だ”っていう感情も尊重されるべきなんじゃない?」と、「今回は家に会いに行くのではなく、短い時間でも外で距離をとって散歩するとか、どちらの希望も尊重出来るような形で顔を見る程度に短く再会を済ませたら?」と話しました。娘ちゃんの良いところは、ぷりぷりしても直ぐに鎮静化するところ。そして、話し合おうとするところ。

結局娘ちゃんはお母さん(元嫁)と再度電話で話し合って、水曜は息子くんの移動日から近く、感染が検査にも引っかからない可能性があるので諦めて、コロナの簡易検査を娘ちゃんと息子くん共に日をずらして2回受けて、陰性を確認したら金曜の帰る直前に少しだけ外でマスク着用のまま散歩する、という事に落ち着きました。

そんなこんなで、水曜が中止となりお義母さんの家から街までの移動も無くなった為、娘ちゃんの気になる点を話すきっかけを逃してしまいました。

夫とは話し合い、夫も娘ちゃんの、人の助けを自分から求めて当たり前のような感覚、自分の意見を言葉で押し通す、などの傾向を認めたものの、本人とは話し合えずじまいです。ですが、次にまた同じような場面に出くわした時には直ぐに話しだせるように、気持ちを準備しておきたいと思います。

2点目: “娘ちゃん、1人暮らし開始のお祝い”

先月中頃から娘ちゃんはお母さん(元嫁)と住んでいた家を出て、同じ街の中で1人暮らしを始めました。ドイツでは、WG(ベェーゲー)と言われる、個々に個室はあれどキッチン、バス&トイレが共同の共同生活です。若者には多く、娘ちゃんも建物の2階部分に同じような年頃の男女4人(お互いに以前からの知り合いではない。たまたま同じ時期にそこの住民になっただけ。)のWGで住み始めました。

その引っ越しにお金も必要だっただろうから、とお義母さんから20€のお小遣いをもらったのです。夫に「お小遣いをもらった。」と報告した娘ちゃん。続けて「引っ越しにお金がたくさんかかったし、実の所まだ買わなきゃいけないものもあるんだよね。だから助かる。」と言うのです。

「これは絶対に、夫から後で、お小遣いをあげたいのだけれどと話があるな…。」と思いました。

そして案の定、ありました。私は、「毎月の養育費を払っている上にプラスして大学費用も負担しているし、引っ越しは娘ちゃんの希望で自分で決断して行動したこと。いい部屋も見つかったようで良かったし、ちゃんと自分で費用も(養育費内で)足りるように配慮出来て偉かったと思う。そういう金銭感覚を学んで欲しかった訳だし。だからそのままにしておきたい。何かある毎にパパ達からお金がもらえると思って欲しくないので、あげたくない。」と伝えました。でも今回、こちらへ来る為に買った電車のチケットを娘ちゃんが間違えて1枚多く購入してしまい、特売品でキャンセルも効かず3500円程余分に支払ってしまったと言うので、いつも電車代も私達持ちで返金するのですが、「引っ越しにお金もかかっているだろうから…という事で、間違って購入してしまった分のお金も今回は私達から返してあげてもいいけれど。」と。

夫は不満そうでしたが、私の意見を無視してまで勝手にお金を渡したりはしないので、「また後で話そう。」と一旦休戦に。

その間に私も更に考えて、夫が父親だし、夫の気持ちも尊重してあげたいけれども…私の中ではその分が間違えて過剰購入したチケット代なんですけど、夫の中では少ないのだろうな…と思い、再度話し合った際に「いくらぐらいと思ったの?」と聞きました。すると「2万円くらい。」と言います。

WGでの共同生活って、キッチンには電化製品も調理器具も揃っていて、新しく家電を買う必要はないのです。引っ越しといっても使っていたものを部屋に持ち込めばいいのです。

更に言えば、この引っ越しは親の払う養育費で成り立っています。娘ちゃんが自分で費用も工面して新しい生活を始めると言うのなら少し助けに…とお小遣いをあげるのもわかりますが、親からの養育費で引っ越して親から更にお小遣いって…と思ってしまいます。

私の中で養育費+学費+2万円は、+の費用が毎月のことでは無いとはいえ多い、同意出来ずにストレスだな、と思ったので、その旨を伝えて、でも夫の気持ちも尊重したいと思うので調整したいと、電車チケットの返金込みで1万円なら私も納得できる金額だと伝えました。

夫の中ではちょっと少ないようでしたが、私にストレスになるくらいなら、納得できる金額での方がいいと折れてくれて1万円で落ち着きそうです。

こうやって、結局、毎回お小遣いを渡しています。金銭感覚にいい影響はあるものなのだろうか。はたまた、お金の問題ではなく、気にかけているよという表現になり親子の信頼関係構築に一役かっているのだろうか。でも簡単にもらえるから、親が子にお金を払うのは当然という感覚になってしまったのではなかろうか。

今回の滞在では、私が仕事で遅くなった日に、娘ちゃんが夕食にサラダとポテトグラタンを作ってくれました。それが、ちゃんと調理後の後片付け、食後の後片付けまでしてくれたのです!

今までは料理のお手伝いはしてくれても、作るだけで、調理後も食後も後片付けは私でした。

それが、本当に食べるだけでいい1日を作ってくれるなんて!嬉しかったです。

1人暮らしを始めてから、料理の面倒くささや片付けの手間、メニューに苦戦する事を学んだのだそうで。自分でも「自立し始めてる!」と感じるのだそうです。

成長してくれているようです。

後は、「お金を自分で稼ぐ楽しみ」「仕事への意欲」が湧き上がることを期待しています。

経済的に養うって大変。我が家は養育費という形でだけれど本当に長い。長い年月だ。仕事が不調でも体調が不調でも養育費は待ってくれない。夫の肩にはそれがのしかかっているのだなあと思うと、お仕事お疲れさまです!!!と思う。子供達への、そして私への責任を背負ってくれている夫。でも養う苦労を実感するのは親になってからかなあ。私自身も親の苦労は見ずに、甘えて大きくなったもの。

ううう。

お母さん、お父さん ありがとう。


2021年4月9日






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北川 萌子
ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。