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ドイツで風邪をひいたなら。 ー 対応と病欠について ー

金曜から体調が優れず、週末は寝込んでいました。月曜日、出勤か病欠かで揺れ動く心と戦い、力が出ないけれど週末と比べたら体調は随分良くなったと思い、仕事へ行ったら、いや、まだ結構しんどい…。この判断の難しさよ。(明らかに風邪の症状だけれど、一応コロナの簡易テストで陰性とは確認。) 

同僚に「しんどそう。声もおかしいよ。」と指摘され、1時間も経たずに家へ帰されることになりました。コロナでマスク着用とはいえ、誰かに風邪をうつしてもダメだしね、コロナの時期で同僚を不安にさせたかも知れない、思い切って休めなかった自分を反省しました。


〜 仕事を風邪で休んだらすべきこと 〜

仕事から帰されているので、お医者さんへ行って病気で働けないという証明を出してもらいます。この証明はKrankschreibung(クランクシュライブング)と言うのですが、3枚出されることが多く、職場、健康保険会社への提出と、自分の控えとなります。この証明を出すことで病欠扱いとなり、お給料や勤務時間が保証されます。日本のように有給休暇を消費しなくていいし、減給されたりしないのです。(6週間までの病欠は職場が100%
、それ以上の長期に及ぶものは健康保険がお給料の100%〜60%くらいの割合を保証してくれます。割合や保証期間は保険会社によって異なります。)

ドイツで働き始めた初期の頃、私はこの病欠制度を知らず、日本で働いていた時のように風邪程度ならしんどくても出勤していました。有給消化も勿体ないし(日本への一時帰国などに使いたい)、休んでしまった日の勤務時間分は減給で…と諦めていたように思います。(うろ覚えですが「風邪で病欠で保証される」という発想自体が無く、病欠扱いは入院するくらいのレベルのものという認識でいました。) 初めてこの制度を知った時は「風邪程度でも病欠書いてもらえて保証されるの?!」と驚いたものです。でもよくよく考えれば風邪でも病気は病気ですよね。頭痛や発熱はしんどいものです。ドイツで働く方、無理はせず、近くの町医者さんでこのKrankschreibungを書いてもらってくださいね。Krankschreibungが無いとただの欠勤になってしまいます。

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↑Krankschreibung。ピンクの丸の所に提出先が記載されています(左・控え用/右・職場用)。今回は保険会社への提出はお医者さんがしてくれるようで2枚しか受け取りませんでした。なるべく3日間以内に郵送や手渡しで提出した方がよいらしいです。

この証明は比較的簡単に出してもらうことが出来ます。今回もお医者さんで「Krankschreibungが必要なの。」と伝えると、「いつまで?(仕事を休む期間) 1週間?」と聞かれて慌てて「そんなに長くなくていいです。」と私から言ったくらいです。結局診察日を含めて3日間の病欠となりました。(病状が良くならなければ、再度受診して延長も可能です。)

勿論、残念なことですが、この制度を悪用する人も出ていると思います。けれど、“病気の時は身体を休めて快復に専念する”という人として当たり前の事が安心して出来るのは素晴らしいと思います。


〜 ドイツの風邪の治し方 〜

しんどかった私は、体力の衰えを感じていて早く風邪を治したいと思い、Antibiotikum(アンティビオティクム/抗生物質)を出してもらいたいと伝えました。

でもドイツでは、抗生物質は気軽には出してもらえません。

今回も、「身体が体調を戻そうと戦っているから疲れるのでしょう。抗生物質は意味がない、先ずはお茶を沢山飲んで、ゆっくり身体を休めてください。ビタミンもとるといいね。Salbei(ザルバイ/セージ)ティもたまには飲むといいかもね。それでも体調が悪化するようならまた来てね。」と言われてしまい、結局お薬はなにも出してもらえませんでした

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↑我が家の庭のSalbei(ザルバイ/セージ)。少し肉厚でふかふかしたビロードのような葉が特徴で、凄く独特の味がします。苦手な人も多いかも。薬草として重宝されているようです。

家でおとなしく、ハーブティや緑茶をがぶ飲みして、暖かくして汗をかき、自分の身体の力『免疫力』を信じるしかないようです。

ドイツでは、風邪に抗生物質という考えはほぼありません。風邪は『自身の免疫力で治す』です。そして、その考えが正しいと体感しています。(体感しているのに、気持ちが弱って今回は抗生物質が欲しいと思っちゃいましたけど。治してくれる気がしちゃうんですよね。日本での習慣の名残りでしょうか。実際、抗生物質は風邪そのものには効かないらしいです。日本の『総合風邪薬』には解熱剤だとか咳止めだとか症状を和らげる働きの成分が複種類入っていて、症状が和らいだことで風邪が良くなったと思いがちだけれど、風邪自体が治るわけではないそうです。※医者ではありませんので間違っていたらすみません。)

夫はまさにこの免疫力が優れていそう。風邪をひいても夜に大量に汗をかいて、数日でケロリと治してしまいます。

私もドイツに来てから、日本でよく服用していた『総合風邪薬』を持たなくなりました。お薬には頼らず、ハーブティと休養で治します。ドイツ暮らしの長い日本人と話すと皆「そうなる。」と言っていました。(※私個人の狭い世界の友人対象調べ)。

ドイツでは、職場でも他人の病欠に理解があります。日本のように「迷惑な。」「自己管理がなってない。」というような批判は余りなく、「誰でも病気になる時はなる。」「先ずはしっかりと治すべき。」という考えの方が浸透しています。

不自然な程の病欠多発でなければ、お互いさま、人間だもの。みつをさんの世界です。今回も、同僚からは「今は萌の身体を休める時なんだよ。しっかり休めて元気になってね。」との暖かいお言葉をいただきました。

自身の免疫力を信じ、しっかり休むことで早く風邪に打ち勝ちたいと思います。とは言いつつ、咳はまだあるけれど頭痛も治まり、少し元気になってくると仕事を休んでいる事を居心地悪く感じてしまうのは、日本人でしょうか…。


2021年6月15日





ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。