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subarasikiai
論じにくいテーマについて
歴史雑記177
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最初に断っておくが、私は文学部の出身であるから、 ここで書くことはいわゆる人文科学の、それも全部については言えないかも知れない。
しかし案外、他の文野についても同様なことが言えるかも知れないから、理工系とか、お医者さんとかもこの文章は最後まで読んだほうがよい。
さて、何かを論じる──なにがしかの根拠を持って──というのは、なかなか大変な営みである。
なにしろ、自分の主張をして、それを世に受け入れて もらおうというのであるから、一人で多数の人を説得するようなものである。加えて、相手は応々にして自分と同じ何かを論じようなどと考えている人種であるから、これはほぼヘンクツであると思ってよい。
この時点ですでに論じにくいわけだが、この文章はもう少し先の工程について話さねばならない。
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