【歴史雑記】新元号「令和」について⑤
歴史雑記010
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前回の続きで大伴氏について簡単に検討していこう。どうにも長大になってきたので、今回は中篇として、旅人までを扱う。
念のために前半の記事を要約すると、以下のようになる。
大伴氏は5世紀の室屋から実在が確かめられる
金村の代に勢力を拡大するが晩年に失脚
長徳の死後、天智朝でも失脚状態にあったが壬申の乱で復権
大臣・大連を輩出した数少ない豪族のひとつ
さて、壬申の乱で勝利した大海人皇子は即位し、ここに律令制を大々的に導入する天武・持統朝が到来する。
古代豪族は律令官人の色彩を帯びはじめ、有力豪族は律令制下で高級官僚兼貴族的な存在となっていく。
たとえば、馬来田・吹負の兄弟とともに大海人皇子側に投じた御行・安麻呂(ともに長徳の子)は、大納言にまで登っている。
ちなみに安麻呂は巨勢氏の娘を娶っており、有力豪族間の縁組みが行われていたことがわかる(『万葉集』が史料的根拠となる)。
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