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「人に優しい」はマイノリティ、だったんだね。

「美咲は優しいね」

この言葉を私はこれまでに、人から何度言われたか分からない。

小中高大。
同級生から、先生から。

せっかくだから、自分で数え切れないくらいには言われていた、ということにしておこうかな。

でもね、違うの。
私は優しいんじゃなくて、

自己犠牲していた、

本当はただ、それだけなの。

当時、どれだけクラスで浮いて嫌われていた人であったとしても、私だけは凛として、いつもいつもいつもいつも、困っている(と私が判断した)その人に、手を差し伸べ続けていた。

人はそれを「優しい」と評価した。

違うんだ、と声を大にして言いたい。

私は優しかったんじゃない、ただ、あなた達みたいに自分をいちばんに考えて行動することが、我儘になることが、できなかっただけ、なんだ。

それを、誰にでもできることじゃない、みたいな雰囲気を醸し出して「優しい」なんて言われても困る。

それに私がしていたのは、どれもこれも自分にとっては当たり前であって、普通のこと。

だけど、その普通こそがマイノリティ、だったんだね。
今なら、そう思うんだ。

30人いれば 一人はいるマイノリティ
いつもあなたがその一人 僕で二人

米津玄師 がらくた

米津玄師さんのがらくたを聴くと、私はいつも泣いてしまうんだけど、今は特に、ここの歌詞が刺さって、ボロクソに泣く。

そうして、もう清算したはずなのに、今でも時々思い出してしまう、中学時代と言う、私にとっての昏い過去を。教室と言う「監獄」で過ごした、あの日々を。

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