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一筋の光を掴み取るために

父方の叔父は、四十九日の法要を終えても、成仏できずにいる。現世を彷徨っている。別の生物に、姿かたちを変えて。

スピリチュアルだとか非科学的な話、それから虫が苦手な人は、この辺りで終えていただいた方がいいかもしれません。それでもいいよ、と言う方はぜひ、この続きを読んでくださると嬉しいです。








我が家に何度か、それはやってくる。

先日、二度アゲハ蝶として、そして今夜は、名前が分からない一匹の生物として。きっと、家に迷い込んだんだと思う。羽を力強く羽ばたかせては、電気がついた明るい方を目指して、一心不乱にブオンブオンと飛び回る。

まるで、暗闇を彷徨っているそれが、一筋の光を掴み取るために必死になっているようだった。

それは、今の私とも少し似ている気がした。まだ本調子じゃないのか、途中途中で疲れては、床にコロンとしていることもあった。疲れちゃったのかな。でもね、私もブオンブオンと羽ばたかせる音にびっくりして、思わず沢山、大声出しちゃった。

飛び回ってはヘタレこんでしまう虫を、何とか逃がしてやりたくて。家中の窓を開けたり、電気を消して外の経路を案内してみたり。やれることはすべてやった末、最後は、疲れ果てたのか床にコロンとなっていた虫を、その辺にあった段ボールで覆い囲んで、そのままずるずると、外まで移動させてやって。

無事、外へ逃がしてやることができた!
よかった!!





私、その虫に「成仏してね」って、思わず独り言を零さずにはいられなかった。なぜなら、父方の実家と我が家は揉めているから。理由は、亡くなった叔父に対する、各々の、考えや捉え方の違いによるもの、だと思う。

死人に口なし、とは言うが、思想として、父方の実家はその真逆を行っていると思う。我が家は叔父の味方?と言うのか、特に父親は双子の兄として、叔父(父親にとっての双子の弟)のことを守り抜こうとしている。それを傍目見ても感じている。

だから今回のことも、まだ成仏できていない、叔父の彷徨いがもたらした結果なんじゃないかなって、少なくとも私個人としては、そう思っている。それがいいとか悪いとか、それは置いておいて、私はこう思うっていう話。






一仕事終えた気がして、なんだかどっと疲れちゃった。







追記
調べて分かった。これ多分、セミの幼虫。今さっき、これだあ…!と思えるものを見つけたのでたぶんそう。それにしても、セミの幼虫、初めて目視で見たわ。まだまだ見たことない生物って沢山あるんだなあ~。

一応、東京都に住まわせてもらっていて、虫と出会う確率が地方と比べて少ないんだと思う。だからか慣れていなくて、虫と遭遇すると、未だにいちいち大声出しちゃうし、ビビる。心臓、口から飛び出てくるんじゃないかって思う。笑

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