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アッラーとふたりきりの食事

イスラム教徒は豚肉、アルコールが禁止であるというのは有名な話だと思う。

さらに詳しい話をすると、食べていいのはハラール料理と呼ばれるものだけだ。

また食べ物や習慣も含めて、イスラム法において合法なものをハラール、合法でないものをハラームと言う。


ところで最近私が覚えたイスラムジョークがある。

本来であれば、女性は体のラインが隠れる服を着ることがイスラムの決まりであるが、最近の女の子はタイトな服を着ていたりする。

そういうときは大袈裟に

「Oh!! It’s ハラーム!!」

と言えばだいたいうけてもらえる。
現地ネタで笑わせることができると嬉しいものである。


脱線してしまったが、ハラール料理とそうでないものの違いは主に食肉の屠殺(とさつ)方法だ。

・神の名を唱えながら喉を横に切断する
・電気ショックでの屠殺禁止
・絞殺、撲殺の禁止
・病死、事故死の死肉は禁止
・決められた方法での血抜き

これらを守らずに屠殺された動物の肉はすべてハラームとなる。

私はきちんと調べるまで、ハラール料理はオーガニックみたいなものだと勘違いしていた…


しかし、ハラールかハラームかはムスリムの人だからといって見た目で判断できるものではない。

そういうときに役に立つのが

ハラール認証マークである。

だいたいどこの飲食店にも飾ってある。
(マックやケンタッキーでさえも!)

面白いことに、ハラールな中華料理屋もある。豚肉料理の多い中華だが、その店ではそれらを一切取り扱かっていない。

さらに、スーパーで売っているものにもハラールマークが付いている。

これを見て、ムスリムの人たちは食べ物を選ぶことができるわけである。


確かに、認証マークは1つの判断基準だと思う。

しかしこれもまた信仰の仕方の違いの話で、どこまでをハラールとし、どこまでをハラームとするかは結局は個人次第である。

例えば、"豚肉を乗せたお皿"
洗えばセーフなのか、一度乗せたからアウトなのか。基準は人によって違う。

人の価値観を否定しない。

私がイスラム教を一番尊敬するところである。

大事なことは、その人がアッラーを信じていることであり、第三者は他人の信仰を咎めることも信仰心を疑うこともできない。

アッラーと個人の間の契約というわけだ。

これが根底にあるからこそのこの多様性か、と1人頷くランチタイムである。

#マレーシア #イスラム教 #食事