【台湾旅】カタコト英語で楽しめた初海外ーー花も風も街も、みんなおなじだった
高校生の頃、世界史の先生がしてくれる "脱線" が好きだった。世界の各地を旅して回っていたらしく、イタリア、インド、石川県……笑(特に印象に残っているもの)
授業で習う地域が変わるたび、いろんな国でのエピソードを聞かせてくれて。いつしか「大学生になったら絶対海外に行くぞ」と思うようになっていた。
ところが、時間はあってもお金はなくてずるずると機会を逃し続け、「初海外はハネムーンで」なんて思っていたらコロナ禍に。
でもいい加減「海外に行きたい」と言いながら、予定も立てない自分が嫌になってきて、「2024年はとにかく日本の外に出る!」と決めた。
あんまり遠いと踏ん切りつかないから、まずは近場で。でも気になる場所があって、海外感も味わえて……そこで目に留まったのが台湾。
月曜日にパスポートを取って、火曜日に飛行機を予約、水曜日に前泊をして(空港近く)、木曜日の早朝。ついに私は、人生で初めて国境を超えた。
違いを意識すればするほど、"同じ" も見つけた《台北》
"日本ではないもの" を逃すまいと、五感を研ぎ澄ませながら入国。知らない漢字も混ざって全然読めない看板、まるっこくて可愛い切符、台湾って感じのちょっと癖のあるお味(八角かな)、聞いたことのない鳥の声、夜市でときどき漂う臭豆腐のにおい……。
どこを見ても "違い" はたくさん。でも慣れっていうのはすごいもので、ほんの数時間で「知らない国を歩いている」というふわふわ感より、「ただいつものように、目的地に向かって歩いている」という地に足がついた感覚の方が上回るようになっていた。
いま私、台湾の街を歩いている。
当たり前に息をして、思考して、おしゃべりしている。
長年夢を見続けてきた分、海外というものをどこか非現実的な、空想の中の世界みたいに勘違いしていたのかもしれない。この地にも当たり前に、暮らす人々の日常があって、私はただそこで旅をしているだけなんだ。
それってこれまで経験してきた、国内での旅行とも同じだ。
来たから感じられた夢心地。ランタンの街《十份・九份》
カラフルなランタンが空に舞う。線路の両脇にいろんなお店が軒を連ねるここは、十份という街らしい。
夫が偶然テレビで台湾特集を見て、「行ってみよう」と言ってくれるまでは、まったく知らなかった場所。
ランタンは火が近くてあっちあちだったけど、手を離してふっと舞い上がる瞬間は、なんだか物語のヒロインになれたような特別感があった。あのときの「わぁっ……!」って感触は忘れられない。
そして、前々から行ってみたかった九份へ。お茶屋さんがいくつかあるので、せっかくだから入ってみることに。
ここがもう、とにかく、本当に最高だった……!内装も接客もお茶もお菓子も居心地も……!ここに来られただけで、旅をしてよかったと思えるような、上質なカフェ体験でした。
九份といえば、な位置からの写真しか見たことがなかったけれど、実際に行くと思っていたような構造じゃなかったり。街並みも素敵だけど、実は遠くに見える海もよかったり。
写真でしか見たことのない場所へ行く。
「思っていたのと違うな〜」なんてこともあるのだけど、それでも実際に訪れないとわからない感覚に出会えるのって本当に面白い。
帰りのバスは大混雑。並び方もよくわからなくて、中国語で捲し立てられたり、バスの運転手に「1 people」と言われ、泣く泣く見送ったり。結局タクシーに乗ったのだけど、海外のタクシーって激怖(偏見)。
乗っている間、生きている心地がしなかったけど、途中ゆっくり走って観光案内をしてくれたり、駅で降りた後も電車のホームを教えてくれたり……。おじさん、悪い人だったらどうしようなんて、疑っちゃってごめんなさい!汗
"いつもの私" が少しクリアになった《台南・高雄》
高鐵(台湾の新幹線)に乗って、南側へ。降り立つと南国の空気がふわぁ……あっつい!(10月中旬)温度も湿度も、明らかに台北の方とは違っていた。
カフェでは、メニューに写真がない上に台湾語しか載っていなくて、ちょっとピンチ。今まで「ごはんも買い物もなんとかなってる、すごい!」と思えていたのは、日本人とわかるとすぐ日本語を使ってもらえたり、わかりやすい表記に助けられたりしたからだったみたい。
甘やかしてもらっていたのね。
なんとか注文できたものの、ココアとお茶の甘さが逆に(それでも十分おいしかったけど)。こういうとき、せめて英語がもっと話せたら、おすすめを聞いたり状況を説明したりできるのかしら……?
でも店員さんに話しかけることを躊躇っているのはたぶん、言葉が通じないからだけじゃない。日本にいたって、緊張してると思うもん。
いつもしないことが、ここでもできないだけ。
国境を越えたって私は私で。だけどいつもの私がほんの少し客観的に、クリアに見える。
言葉や文化が違ったって、もっと遠くまでいける
ホテルは日本語対応可能なところもあるし、日本語で話しかけてくれる店員さんもちらほら。日本人を受け入れてくれる体制がある台湾は、初海外にはぴったりだったかもしれない。
国境を越えれば何かが変わるかも、なんて期待は以前よりずっと小さくなっていたけれど。想像よりもっともっと、いつも通りの私と旅がそこにはあった。
旅の目的は人それぞれあると思うけど、私の場合、「行ったことのない場所に足を踏み入れたい、そこの空気を感じたい」が一番大きい。
そういう意味では、Google mapさえあれば行ける世界はもっともっと広い。言葉や文化の違いに怯えすぎなくても大丈夫かも、と思えたのは嬉しい気づきでした。
高く高くなりすぎていた海外旅行のハードルをぐっと下げてくれた今回の旅。次はどこに行こうかな〜
▼台湾旅をリールに。テーマ曲は「いつも何度でも(cover)」です。