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強面の先輩が教えてくれたこと(社会人1年目)

社会人一年目が終わる4月、一番お世話になった憧れの先輩が異動した。

 育成担当の1人であるこの人から、仕事についてたくさんたくさん学ばせていただいた。先輩が求める像には10%くらいしかきっとなれなかったけど、社会人一年目にこの人の背中を見ながら仕事ができた経験は自分の最高の財産だと思ってる。

初対面の時からお客様からの電話が鳴り止まなかった先輩。「センスないよね」って1000回くらい言われたのもいい思い出。(つまり1日4回ほど)

びっくりするほど不器用でとんでもなく怠惰な私を見捨てずに半分呆れながら見続けてくださった先輩には本当に本当に頭が上がらないです。

学んだことを備忘も兼ねてまとめます。先輩に見つかったら速攻消せって言われるからバラさないでください(マジ)

①社会人としての足腰:信頼を得る。見え方を計算しろ。

 基本の勤怠/報連相をしっかり。悪いことは先に報告する。即レス。誰がなにに詳しいのかを捉え、聞く相手を間違えない。言ったらやりきる。本を勧められたら次の日には読んで感想を送る。毎朝の電車の中で日経新聞読む(社会/会社/自分への影響を考えながら)。。。などなど、昭和って言われるかもだけど、これをやって嫌な顔をする人はいないと叩き込まれた。ナメナメ大学生だった私の意識に、大きな影響が与えられた。

②目の前の仕事に意味づけする:雑用を味方に付ける。

 私の仕事は在庫管理から始まった。商談で使う見本品の発注と管理など。「おまえ、この仕事の価値わかってないだろ」って自慢げに言う先輩。ひたすらダンボールを運んで開封して棚に入れる毎日。

数週間でわかった。先輩たちが在庫の数やラック内の物品の位置について私に聞きに来る。

 事業紹介用見本は部署全員にとって必要なもの。だけど、忙しくて誰もやらない。それを押さえることがどれだけ重要なのかを知った。特に部署にとっての新人なんて仕事ですぐには価値を出せない。多くは雑用を任せられる。その雑用を武器にできるか。目の前の事から広がる意味をどれだけ捉えられるか。自分のポジションを作れるか(この事はこいつに聞こうと思ってもらえるか)。暇だから色んな社内の人とお話しさせてもらったりビル内散歩してるうちに、どの情報はどこにいけば得られるのか、何はどこにあるのかを知ることができたのは良かった。

その後、在庫管理と並行し、先輩との同行を続ける日々。

③目の前の仕事を120%で打ち返す:成果出せ、成果出さない奴に人権はない。

 まず最初の3ヶ月は社会人に慣れようね〜ゆっくりでいいよ〜〜を真に受けて見習いモードだった私にある日の先輩「結果出せよ。結果出さない奴に発言権も人権もないぞ。会議で椅子用意しないからな」えええ。「新入社員のお前は知識で勝負できない。ならスピードで勝負するんだよ。」目の前の与えられてる数字にこだわれ。結果を出すために計算しろ。帳尻を合わせろ。うちの部署、皆そこ上手いから。自分の意識がいかにお客さん気分だったかを思い知らされた。

④お客様のことを真剣に想え:お客様への目配り、気配り、思いやり。

 相手を知る。お客様のなにを競合と見るか。お相手の社内事情まで全て把握する。競合は、先方担当者が意見を通す上司かもしれない。お客様にとってこいつ社内回せるな、使えるなって思ってもらえるようにする。

「おまえの仕事からは想いが感じられない。そんな投げやりの仕事してたら誰もおまえに仕事任せなくなるよ。」

先輩から言われた、一番きつかった一言。
その通りだ、と自分に心当たりと自覚があったから、頭を鈍器で殴られた衝撃。

 その後、まず行動しよう。予定を埋めよう。と、色んな企業様にひたすらアポ取ってたら敬愛する上司に「行動に一貫性なすぎて、しょうもえちゃんなにがしたいんやろってほんま謎だったわ〜」って詰められたのが去年の12月。その節はごめんなさい。

⑤ロマンだよロマン:「おまえはなにがしたいの?」

 成果出さなきゃ成果出さなきゃって、自分に与えられている定量目標にがむしゃらになっていた時。先輩「今仕事楽しい?」「楽しいこと考えようぜ」「ロマンだよロマン。」「しょうもえは何がやりたいの?」私「ロ、ロマン、、、」(その後、先輩方とロマンを語る会なる恐ろしい飲み会が開かれた)

それ以来、同行の度に、この企業様となにがしたいの?と問われる毎日。「ここにこういう喫煙所を作って、そこで販売会やって、紹介もらって…」と頭の中をいうと「ちっさ」「それ本当にやりたいの?」「もっと大きく描けよ」と一蹴される。

 たばこや会社に捉われなくていい。私自身が心からワクワクすることを考える。それを描いたら、今の仕事と紐づける。自分のWillを持つってこんなに難しいんだと思った。うちの会社でこんなに「おまえは何がしたいの」って言われるんだって驚いた。(いわゆる大企業だから、最初は歯車になるんだと思ってましたごめんなさい)

Will/Can/Mustのうち、MustとCanに没入していると、「やってる感」が出て自分の頑張りが分かりやすい。けどそれだけやってると、どんどん気持ちが落ち込んで保守的になっていくことがわかった。
先輩は私がどうしたらワクワク働けるかを一緒に探してくれた。たくさん面談してくれたし、たくさん先輩の話をしてくれた。一緒にストレングスファインダーもやってくれた。(ちなみに1位の強みは収集でした。集めたがり!)

 この環境は、本当になんでもできる。周りには支えてくれる先輩がいる。やりたいことの筋が通っていて想いが乗っていればお金も使わせてくれる。そんな環境。言い訳が出来ない苦しさを知った。自由って苦しいな、いっそ縛られてた方が楽だなと思った。

けど、すぐに答えが出なくても、考え続けることができれば、自然と自分のアンテナが情報をキャッチする。自然と自分の思考が変わっていくことを感じた。道を歩いていても本を読んでいても人と話していても、仕事でこういう取り組みができたら楽しそうということを常に考えてる状態だった。気づいたら「これをやらなきゃ」という思考から、「これをやりたい」という思考に変わっていた。

この領域で取り組みたいですって発信すると、色んな人が情報と機会を持ってきてくださるようになった。上司は、その領域のお絵かきをさせてくれた。発信とポジショニング、本当に大事。バカだねそんなの無理だよって言われても、どうせ無知だしやってみないとわかんないしって開き直ってちょっと頑固になってきた最近。

 やりたいことをやるためにはもちろん、与えられていることでしっかり結果を出さないといけないので、そこは引き続き頑張る。

 亀よりも遅いスピードで少しずつ成長してきた。先輩たちから見たらそんなところで躓いてるのかって呆れられそうで怖い。けど、残念ながらそれがリアルなところの私だった。

 先輩や同期みたいに、かっこいい言葉でキレッキレの思考はできないけど、自分は自分でしかなくて、自分にあった一歩を進んでいくしかない。出来るっぽく見せて実はハリボテな人にはなりたくない。出来ない自分をちゃんと見て、自虐ではなく自責で前に進んでいこうと思う。そんな2年目はじめの月です。

2020年3月6日




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