カメラを手放して、目に焼き付けた景色とあの島での日々...。
はっとして、一瞬で心を奪われて、あんなに眠かったはずなのに思わず目を見開いて...。
深夜3時。
沖縄の離島、渡嘉敷島。
阿波連のビーチで、目の前に広がっていたのは、星空。
『これが「満天の星空」って言うんだよね…』
誰かの声が聞こえた。
「すごい...」
それ以上の言葉が出ないほど、ただひたすらに目の前の空を見つめていた。
暗くて黒くて、でも小さな光が無数に刺して、不思議と明るいその空を...。
部屋から無意識に持ってきていたカメラ。
このカメラでこの空を残したい...。
そう思って、必死にマニュアル設定で、F値を下げて、シャッター速度を遅くして...。
それでも映るのは、真っ暗な画面だけ。
もうカメラは諦めよう...。
悔しい気持ちを必死に隠して、友達の隣、砂浜に寝っ転がった。
「カメラは難しいそう...」と私が言葉をこぼすと、友達は「じゃあ、目に焼き付けておくしかないね。」って。
うん。
この星空を、自分の目に焼き付けておこう。
忘れないように、いつでも思い出せるように...。
しばらく眺めていた。
あ、流れ星!
確かに見えたと思って、隣を見ると、
「流れ星、見えたよね!!初めて見れた!」
とはしゃいでる友達の姿。
何故だかわからないけど嬉しくて、暖かい気持ちになった。
次の日
朝起きると、3日目にして初めての晴天。
宿泊地を出発して向かったのは、渡嘉志久のビーチ。
草木の間から見えたのは、真っ白のビーチと透き通るほど輝くエメラルドグリーンの海。そして、優しく青い空と遠くに見える島々。
「きれい〜!!感動!!」
なんて声を上げながら、サンダルのまま海に入る。
浅瀬で気持ちのいい海の水温を感じながら、透き通る海を見つめて...。
東京の満員電車に揺られて
あの島で見た景色。
その絶景は写真を見れば、いつでも思い返すことが出来る。
楽しかった、心に刺さったその思い出を、記録に残すことは、好き。
だけど、
深夜に海辺で見上げたあの星空は、今もまだ私の心には残っている。
満点の星空も青く輝く海も、私の脳裏に残ったまま。
そんな景色があることも、素敵じゃない?
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