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人は「人が成長する姿」を見るのが好きだ

私がアイドルに最初にハマったのは確か中学生1年生の時だった。年頃もさほど変わらない彼女達が・・・、少し前まで普通の女の子だった彼女達が、人に見られることでドンドン輝きを増していく。そんな過程を見るのが好きだったんだと思う(ちなみに初めて自分で買ったCDは「ベスト!モーニング娘。1」というCDだった。懐かしい・・!)。


モーニング娘に始まり、専門学校生の時は嵐オタク、社会人になってからはAKBのライトファン、そして今は乃木坂46のガチオタクだ。なぜ私はアイドルにハマるのか?乃木坂メンバーである高山一実さんの小説「トラペジウム」の感想も織り交ぜながら自分なりのアイドル論を書いてみたいと思う。


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(最近可愛いブックカバーを買うのがプチブーム。右側の和紙風のブックカバーも手触りが良くてお気に入り。)


まずは「トラペジウム」のあらすじから。

高校1年生の東ゆうは「絶対にアイドルになる」ため、己に4箇条を課して高校生活を送っていた。「SNSはやらない」「学校では目立たない」「彼氏は作らない」「東西南北の美少女を仲間にする」・・・?努力の末、”輝く星たち”を仲間にした東が、高校生活をかけて追いかけた夢の結末とは。人気アイドルグループ・乃木坂46から初の小説家デビュー作。現役のトップアイドルが、アイドルを目指すある女の子の10年間を描いた感動の青春小説。


普通の女子高生である主人公、東ゆうが、「アイドルになりたい」という夢を叶えるために虎視眈々と計画を練り、夢に近づいていく。この主人公の凄いところはセルフプロデュース能力に長けていたということだと思う。いや、セルフプロデュースだけではない、東西南北の美少女の仲間を集めてアイドルグループとして売り込もうとしていたのだから、プロデューサーとしての才能もあったのかもしれない。



私が思うアイドルに大事なことは、「セルフプロデュース能力」「伸びしろ」「ギャップ」なんじゃないかと思う。アイドルになれるような子だから、もちろん可愛くてスタイルの良い子、歌やダンスが上手い子も多いと思う。しかし必ずしもアイドルグループの一番人気や、センターは一番可愛い子やスタイルの良い子、歌やダンスが上手い子というわけではない。



私が乃木坂オタになるきっかけになった西野七瀬さんを例に考えてみたいと思う。

(初めて買ったアイドルのフォトブック。あああ可愛い。神。)



西野七瀬さんは高校2年生の時に乃木坂の1期生として加入し、デビュー当時は推されるメンバーでも人気のあるメンバーというわけではなかった。加入当初は少しギャルっぽくもあり、いわゆる「オタク受け」しない見た目でもあったように思う。


でもそこから西野さんはネガティブで人見知りな自分を「変えたい」と切に願い、出来るところから確実に変えていった。母親のアドバイスもあったようだが、ブログを頻繁に更新し、握手会での対応もかなり意識した。元々人見知りの性格だったが、「握手の時だけは、人見知りじゃない自分にしよう」と決意し、明るい自分を見せようと心がけた。握手会での神対応やブログの面白さ、意外性も功を奏し、ファン人気も高まり8枚目シングル「気づいたら片想い」でセンターに抜擢される。



西野さんはまさしく、「セルフプロデュース能力」に優れ、デビュー当時は3列目からスタートし、8作目ではセンターを獲得するという「伸びしろ」があり、可愛い見た目で実はオタク気質という「ギャップ」があった。彼女は静止画で見るのももちろん可愛いが、動画、特にライブ映像では圧倒的な可愛さがある。目線、表情、顔の傾け方、おそらく自分で自分一番可愛く見える瞬間を研究したのだろう。可愛い、美人なメンバーが多い乃木坂メンバーの中でもライブの時のキラキラ感は、No.1だと思っている。



自分がアイドルになぜハマるのか。アイドルの活動を通して「人が成長していく姿」を見るのが好きなんんだと思う。おそらく同じ理由でアイドルが好きな人は多いのではないか。完璧ではないから応援したくなる、成長が見えるとこちらも嬉しい。



「トラペジウム」の話に戻るが、結局主人公である東ゆうは東西南北の美少女の仲間達とアイドルグループと作る、という夢を叶える事は出来なかったが、別の形でアイドルとして成功した。


以下、エピローグでの主人公の語り。

自分という存在を嘘のベールで包むのか、それともはぎ取るのか。無数の選択を毎日のようにせまられる。この生活には慣れたものの、未だに自分が自分でなくなることは多い。アイドルの使命は自分のパーソナルプロデューサーを担い続けることだった。



まさに、「自分のパーソナルプロデューサー」を担い続けること、それこそアイドルの使命。自分がアイドルに求めることだ。


この「トラペジウム」を読んで自分が理想とするアイドル像に気付くことが出来た。高山さん自身も子供の頃から「アイドルオタク」で、アイドルとは何ぞや、アイドルの魅力とは?ということを考え続けたからこそ、書けた内容だったと思う。




これからも私は「人が成長する姿」を見るためにアイドルを推し続けるだろう。(西野七瀬さんが乃木坂を卒業してしまい悲嘆に暮れていたが、既にちゃんと次の”推し”を見つけることが出来ている)。日本にアイドル文化があって本当によかったと思う。それぐらい、私にとって心に彩りを与えてくれる存在なのだ。











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