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寂詩

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#眠れない夜に

Twitterより(24)

Twitterより(24)

わたしときみの間には
薄い氷が張っている
そいつを割ってしまえたら
わたしはきみをあいするだろうが
そいつを割ってしまったら
きみはここにはいなくなる
わたしはきみを傷つける

わたしときみの間には
薄い氷が張っている
だからわたしはきみを知らず
きみはわたしを知らない
わたしを知らないでいい

わたしときみの間には

Twitterより(23)

Twitterより(23)

わたしがふたりいたとしても抱きしめること
                   が
                   で
                   き
                   な
                   い
                   ほ
                   ど
                   大
           

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Twitterより(22)

Twitterより(22)

いつか君に「行かないで」と言う人が現れ、君の胸は張り裂ける。
孤独はどこに行くんだろうか、
クローゼットの奥に追いやられて、窓の隅にはためいて。
車窓から見えたのは誰かの暮らしだった、
あたたかい気持ちに包まれて、君はいつか吠え方を忘れる。
すり抜ける風が君の頬を撫でて、美しい髪を揺らした、
春の小川のように、君も流れていく。

Twitterより(20)

Twitterより(20)

あなたの目は澄んでいるが
あなたの桜色の爪を美しくは思えない
あなたの背中に飛びつきたくはない

反発を隠す生活のしなやかさ、
弱さ、切なさ

Twitterより(19)

Twitterより(19)

新聞が言ってたんだ、
「あなたのカタチは三角ですよ。」
当たるスポットライトは評価で、
自由なことではなかった。
持って生まれた性質も、選ぶ色も、
いまあるものがすべて。
あたし、
山の稜線をなぞるのが好きだよ。
知っているのは、あなただけ。

独立宣言

Twitterより(17)

Twitterより(17)

木が落とした種子を蹴る優越感が私を人間たらしめた、靴ひもの色は青かった、何ひとつ結べぬこの口の代わりにしゃべってくれればよいのに、青いチョウチョは飛ぶことも、動くことすらない、
何者にもなれない日常のはじまりとおわり、中途半端に降りた緞帳。
影はなかった、太陽だけが照らしている。

第n幕

Twitterより(16)

Twitterより(16)

君がいつか大人になったら、
この漢字も読めるようになる。
あなたはそんなことを言わなかった。

鉛筆の持ちかたを教えてくれた、
雪にも顔があることを知った、
オムライスはいつも半分だった。

梅雨の匂いに包まれて走るトラックは、
どこにでもある乗り物になってしまった。
あなたはそれすらも笑うでしょう。
ひとり生きた、
手のひらの厚さ

体温

Twitterより(15)

Twitterより(15)

   「私の目が閉じていること
    私の耳が塞がっていること
    私の鼻が詰まっていること、
  不快なものだけ吸い込んでいること。」
  退屈なドキュメンタリーでしょうか。

    誰かが飛ばした紙飛行機が、
    ビル陰に隠れていった。
     その時間さえあれば、
    充分だと思ったのです。
 曲がった松が、陽の光を浴びています。

コンタクト

Twitterより(14)

Twitterより(14)

灰色のホームで立つ私は、
ひとりのオオカミになれるだろうかと、
白い吐息を見送った。
あなたのために生きたいなんて、
美しい言葉を言える人間は、信用できない。

無言の空間は対話です、

雪のせいにして、
雨のせいにして、
曇りのせいにして、
晴れのせいにして。
ただ本を読みたい。

ここにあること
言葉にしない時間を見つめたい。

無言

Twitterより(13)

Twitterより(13)

張り裂けそうな背中に、
ナイフを突き刺すのを待っている、
日めくりカレンダーが世界の美しさを喋って、夜を彩る、
わらい声が聞こえる。

点滅する自我、
 平衡感覚なんて捨ててしまって、
人間が宇宙だったなんて、
       ずっと知ってることだった。

口を閉ざせば、耳は聞こえなくなったよ、
この場所にあるべきじゃなかった。
冷たい大地を踏みしめる、それを待つ足。

宙ぶらりん

Twitterより(12)

Twitterより(12)

今と叫んで保存される未来なんていらない。
夕焼けが美しかったとか、あなたがいなくて寂しかったとか、伝えられないことばかりが増えていく、
それが嬉しくてしかたがない。

私は幽霊になりたいのです
形がなくてもそこにいる、
意味がなくても歩いている、
誰かの言葉にまみれた空気を吸う、
お腹がいっぱい。
その響きだけを愛しいと思う、

怖くなんてないよ、
惑わされるのは、星の光だけでいいよ
窓に映らない

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Twitterより(11)

Twitterより(11)

半透明のあなたを探している。
赤が青になった瞬間、
鼻先をくすぐる香水の流れ、
背中で鳴る革靴の音。
「わたしたちこそ、宇宙なのよ。」

心の輪郭にふれた、
わたしのすべてがここにあった!
わたし会いたいの、
あなたがここにいなくても、
周って、重なって
わたしたちはふりかえって、
電気信号を受け取るの。
そしてまつげに降る、奇跡。

往来

Twitterより(10)

Twitterより(10)

気になっていた映画でも、
観に行こうか、
財布とスマホ
必要なのはきみ。
足りないものがあってもいいんだ、
満ちてしまえば、空に耐えられない
だから、とりあえず、

とりあえず

Twitterより(9)

Twitterより(9)

宣誓、わたしたちは
これからを紡ぎつづける所存です
あなたに愛をもらってから、
がむしゃらに息をしていた。
答えがあればよかった、
それでも教わるのを拒んだ
あの草叢に分け入って、
わだちをつくる、
その私を、両の目が見つめている、
嵐が来る。

for eve