わたしたちは主観を殺して生きている
わたしたちは主観を殺して生きている。自動販売機の黄色がかった照明に照らされながら、ふとそんなことを思った。設置から3、40年ほどだろうか。外装は黄ばみ、その色が過剰なくらい板についている。そのためか、かつての白さを忍ばせることはない。パッケージを陳列したガラスには、木の枝によく似た亀裂が走っている。メビウスが450円、キャメルが430円。現代風のパッケージがどこか痛々しい。わかばは500円。安煙草の代表選手が、今となっては形無しである。そんなことにすら無常を感じて、胸の奥で潮