わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文2
第1章 「読み」が深まらないのはなぜか?
ではなぜ『もしもしお母さん』では、読み手はもっとわかろうとしなかったのか。
それは、「わかったつもり」の状態になっていたから。
「わかったつもり」は一種の安定状態だから、それ以上わかろうとはしない。
反対に、はっきり「わからない」状態であるならば、わかろうとすることはできる。
本書では、「わからない」の例として、二十四節気について事典で調べたものを引用している。
この説明を読むと、「太陰太陽暦」や「各月を決定し」の意味がわからない。
つまり、「部分間の関連がつかない状態」である、と。
こういった状態であるならば、まだ、わかろうとすることはできる。
だが、「わかったつもり」では、「わからない」という自覚がないため、これ以上わかろうとはしないのだ。
さて、この安定状態をいかに壊すのか。
これは難しい。
国語の読解の授業ではここをやるべきである。
これについて次回、考えていくことにしよう!
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