わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文1
第1章 「読み」が深まらないのはなぜか?
本章の冒頭では、小学2年生の国語教科書から『もしもしお母さん』という物語文を紹介している。
一読後に、わからなかったことはないかと読者に問うているが、小学2年生の話でわからなかったと感じる人は少ないはずだ。
しかし、表を提示され、それを埋める形でもう一度読み返してもらうと、3匹の子猫では、それぞれ性格の違いがあることがわかる。
このように、表を提示され、その項目を検討していくことで読みを深めていく手法は、よく国語教科書の「手引き」で用いられるものでもある。
しかし、その通りにやって、子供が生き生きと活動したり、どの子もより深く読めたりという感じになることはあまりない。
その原因は何か。
①表の中の項目が、読みを深めるものとしての力が不足している。
②そもそもその物語文に、深めるだけの価値ある内容がない。
③表の中の項目が、学級児童の学年段階や集団の持つ力にぴったり合っていない。
このへんが原因と仮定してみる。
次に、対応策を考える。
①には、授業づくりの基本だが、やはり教材研究である。
どこを読み飛ばしてしまうか、日本語を読めることと、部分間の関連がついているのはイコールではない。
そこを探って、表の項目になるような形にする。
しかし、個体識別が必要なものでもなければ、「表」という形にこだわる必要はもちろんない。
②には、教科書を使う前提がある限り、ここを覆すのは難しいかもしれない。
③には、学級児童の実態を正確に把握する必要がある。
出張続きで、普通の昼休みが取れなかったため、久しぶりに記事を書いた。
でも、こんな感じでできる範囲で続けていくことが大事と考えよう。
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