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「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文3

第4章 「わかったつもり」からの脱却

「わかったつもり」への対応

 しかし、第1章でも述べたように、このような他者からみれば「わかっていない」状態と、被験者自身にとっての「わかっていない」状態とは、区別されるべきものです。しかし、そこが明確に分けて考えられていないので、他者からみて「読めていない」状態だと、被験者自身も「わかっていない」のだと見なしているようなのです。したがって、有効な対応策が見つからないのではないか、と思われるのです。
 本書では逆の考えをしています。このような「読めていない」状態は、本人にとっては、一種の「わかった」状態であると考えています。すなわち、「わかったつもり」の状態です。この「わかったつもり」は、本人にとって安定状態なので、本人に「わかっていない」ことが意識できている、他の「読めていない」状態と同じには扱えず、異なる対応の必要性があるのだと、考えています。

「わかる」のしくみ p114-115

 これがある意味で安定状態であるため、それを壊す必要があると述べている。

 この壊す作業を授業ではどのようにすればよいか、それは国語に限らず、他の教科でもあり得るわけなので、次回はその方法について考えてみる。



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