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それがあなたなんじゃないですか?

 どうしてこんな大変な道を進むことになってしまったんだろう?
 よく過去の夢を見る。小学生の頃から大学生、実家から離れて暮らしていた頃の夢。
 夢の中で過去を振り返っているんだろうか?胸というかみぞおちの辺りがグーっと抑えられたような感じで目がさめる。天気のせいもあって気分は少し沈み気味。

 
「一所に収まらない今の自分が根無草のようで、ここ数年の自分が、本来の自分らしくない気がするんです。」かかりつけの精神科で相談したことがあった。
 先生は薬以外のことでも、ちょっとしたアドバイスをくれる。その一言は、かけてもらった時には意味が分からないのだけど、あとからふとした時にジワジワきて、いざという時私を守ってくれる。お守りのようなことば。



 「でもそれがあなたなんじゃないですか?」

 「絶対にそうしたいならもうやっていると思いますよ」



先生はそう言ってくれた。

 たしかに冷静に振り返ってみれば分岐点に立つ度、ゆっくりじっくり色んな角度から考えて、選んできた。ちゃんと自分で選んできた。
 当時の自分にとっては「そうするしかなかった」ってこともあった。


 何か大いなるものによってここに運ばれてきて今がある。
 思うようにいかない今でも、なにかきっと理由があるのかもしれない。
 


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