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ビジネス本は、タイトルが9割?ːActionReading番外編


永松茂久さんのラジオ番組での示唆に富む発言

私が毎週聴いているJ-WAVEの人気番組「JK RADIO TOKYO UNITED」(毎週金曜6:00-11:30) にて、非常に興味深い話を聞くことができました。

ラッパーのガクMCさんが、各界で活躍している方々のお話を伺う「Words from the Field」今回は『人は話し方が9割』の著者である永松茂久さんが2週にわたってゲスト出演されていました。

11/1日放送分:永松茂久氏の軌跡

永松さんがビジネス本のヒットメーカーになるまでの道のりは非常に興味深いものでした。小学生の頃から商売の才能を発揮、チームを率いて次々と成果を残していったそうです。

そんな彼の才能に目をつけた編集者が、そのノウハウを本にしたいと5年がかりで説得。その結果生まれたのが『人は話し方が9割』だったのです。現在そのシリーズは、令和最大のヒット作とまで言われています。

11/8日放送分:ビジネス本への独自の視点

永松さんは現在、編集者やプロデューサーとして活躍されています。タレントさんなど、魅力的な生き方をされている方々の本の出版を手がけておられますが、その際に重視されているのが「読者目線」です。

著者のための本ではなく、読者に届く言葉、読者が喜ぶ言葉を伝えることを最優先し、そのように書かれているのです。著者であるタレントさんには「できた本は、あなたにとって面白いものにはなりませんよ」とまで言い切っているそうです。

長く指示してくれるファンからも「30代の永松さんはメッセージを伝えてくれていたのに、今はビジネスになっていますね」と指摘されるのだそうですが、永松さんは「もともと私はビジネスマンです」と言い切っていました。

売れるノウハウを伝えるのがビジネス本の存在理由。売れないビジネス本を、出す意味がありますか?と、永松さんの理論は明快です。

読者が何に困っているのか、どんな言葉を求めているのか。チームのスタッフが集めてくれたデータをもとに、その期待に応える本を用意し、世に出していく。自分のチームの頑張りに報いていくことが自分の役目だし、大切なのはすごいね、と言ってもらうことよりも人に喜んでもらうこと。それが永松さんのモットーなのだそうです。

MCのジョンカビラさんも「実に示唆に富む話でしたね」と感想を述べられていたほど、印象的な内容でした。

赤羽雄二さんが語る「本の選び方」:セミナーのアフタートークから

この放送を聴きながら思い出したのは「ゼロ秒思考」の著者、赤羽雄二さんがセミナー後のアフタートークで聞かせてくださった「読むべき本の選び方」についてでした。

セミナー本編で「どうすればもっと本を読めるようになるのか」という課題でグループ討議を行いました。その流れで問わず語りに聞かせていただいた見解です。

赤羽さんももともとは本屋に足しげく通い、よく本を買っておられたのが、その後ほとんど行かなくなったそうです。その理由は、本屋の限られたスペースに新刊が次々と登場し、よい本が押し出されてしまうため、一見目につく本を買って後悔することが増えたためだそうです。

「見開き二頁ごとに一つの話題が書かれている書籍」は特にその傾向が強いので、よく確認したほうがいいとのアドバイスもありました。ビジネス書のかなり多くは「著者」と表現されている人ではなくライターがインタビューして書いており、きれいにまとめているものの内容が薄いことが多いそうです。

現在は、ご自身のFacebookのグループ内で紹介された本やダイヤモンドオンラインなどで紹介された本をAmazonで購入することがほとんどだそうです。

人も本も、信頼できる人からの紹介が一番、ということだと理解しました。

ビジネス本を、どう読むか?

件のラジオ番組のMCジョンカビラさんをして「実に示唆に富みますね」と言わしめた手法で生み出されてくるビジネス本、我々はどのように受け止めていくのがいいのでしょうか?

ビジネス本は小説とは違う商材、プロダクトである、という受け止め方

ビジネス本は、内容の質を保ちながら読者に届けるための工夫という点で、コンビニのお弁当やユニクロの服に近い性質を持っているのではないでしょうか。いわば、知的価値と実用性を兼ね備えたプロダクトなのです。

私もユニクロの大ファンなので実感できるのですが、ユニクロの服を着ることで感じる適度なオシャレ気分。店に出向くことで感じるトレンド感覚。購入した衣類を詰め込んだロゴ入り袋を抱えて電車に乗るときの満足感。それはそのままビジネス本に向き合うときの感覚に似ていると思います。知識や気づきを得られる期待感と、それを実践できそうな手応えが、絶妙なバランスで共存しているのです。

であれば、我々読者がビジネス本を手に取る際には「編集者は何を狙ってこの本を制作したのだろう」「このデザインにはどんな意図があるのだろう」「読者を納得させる決め台詞は、どうやって思いついたのだろう」などと、著者よりも製作者の意図を読み取りながらページをめくり、あわよくば自分も書いてみようかな?という妄想にふけることで、購入した金額に見合うだけの経験を得られるのかもしれません。

ビジネス本を、読んでみましょう

ビジネス本の価値は、単なる内容の充実度だけではありません。それがいかに世の中に広まり、読者の心に響くかという点にこそ、真の価値があるのでしょう。令和最大のヒット作も、きっとそのような観点で読んでみればより楽しめる一冊なのだと思います。私も機会を見つけて手に取り、ビジネス本の本質に触れてみたいと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事、ブログ形式にする前にA4メモ書きの手法で論旨を書き出しています。その様子はこちらの記事に記載しております。

赤羽さんのセミナー受講記についてはこちらからお入りください



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