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日本人の多くが老後の資産を築くことができない理由

日本人の多くは老後までに十分な資産を築くことができない。

リフォームの済んでいない築古の自宅と僅かな退職金、少ない年金でやりくりする慎ましい老後を送ることになる。

理由はもちろん一つではないが、代表的なものは生命保険と新築での自宅購入だ(自宅を持たず退職金のない人も多いが、その場合はさらに厳しい老後となるはずだ)。
 
生命保険文化センターの「2018年度生命保険に関する全国実態調査」によると、2018年度になんらかの生命保険に加入している世帯は全体の88.7%で、1世帯あたりの月額平均は約3.18万円とのことだ。
 
仮に25歳から60歳まで35年間加入すると実に1,340万を支払うことになる。

ちなみにこの積立額をGPIFの運用実績と同じ年率3.9%で運用したとすると35年後に2,680万、米国のS&P500のインフレ調整後の長期リターン7%で運用した場合は5,760万にもなる。
 
掛け捨てでない保険も多いが、その場合でも返戻率は高くて元本+数%なので資産形成という意味では大きく劣後する。
 
また欧米に比べ日本人は購入にしても賃貸にしても新築志向が強いが、新築は分譲会社の利益が少なくとも2割程度上乗せされていると言われている。
 
例えば5,000万の新築マンションであれば約1,000万、3,000万の注文住宅であれば600万になる。

そして、新築信仰が強く中古住宅市場が貧弱なため、大都市など一部地域を除くと資産価値は年々下がり、いざ売却となるとローン残高より価値が下回っていることは珍しくない。

これでは限られたサラリーで老後の資産形成をするのは厳しい。
 
とは言っても、現役世代にとって保険は人生における不安解消のための安心料になる(と思われている)。

そして、新築住宅購入は自分と家族の精神的な満足という目に見えない価値があるので単純比較すべきものではないかもしれない。
 
それらを優先するのであれば慎ましい老後を送り、足りない分は死ぬまで働き続けなければならないというのが現実なのだ。

君はこの現実を知ってどういった人生設計を考えるのだろう?

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