小説文を攻略するための3つの描写
本日はですね。
「小説」の読解法についてお話します。
小説文って「センスの塊」みたいなイメージがあると思います。
しかし、評論文同様、小説だってセンスではありません。しっかりとした解法があります。
例のごとく、このことも僕は知らずにセンスだけで解いてましたが、センター試験の過去問を解いて爆死することが多くなってようやく危機感を持ち、「読解の基礎講義」という教材を使って小説の解法を学びました。
小説って解いてると点数が不安定になるというか。
その時々で良かったり悪かったりしますよね。
そういう人ってセンスで解いちゃってるんですよ。
今日紹介する、システマチックな解法に則って解くようにすれば点数も高いレベルで安定してくるはずです。
まず何よりもこの前提を頭に叩き込んでおいてください。
その「前提」というのが、
小説を「読む」行為と「解く」行為は全く別物だ
ということです。
趣味で小説を読まれる人も多いと思います。
そういう時って主人公だったり登場人物に感情移入して読む人が多いですよね。
てかそうしないと楽しめないですよね笑
漫画や映画にしてもそうだと思いますが。
読んで楽しむ時はそのスタンスで全く問題ないのですが、いざ試験や問題演習で小説文を「解く」時には、一切そのスタンスは捨ててください。
感情移入禁止です。
あくまでも客観的に読みます。
憶測で「主人公は今こんな気持ちなんだろうな〜」とか、
「こういう理由であんな行動をとったんだろうな〜」とか、
考えないでください。
出題者はあなたの憶測、予測には1ミリも興味がありません。
そんなものを聞いているのではなくて、あくまでも客観的な「描写」から主人公や登場人物の心情を的確に捉えることができるか、を聞いているんです。
客観的証拠もなく、登場人物の気持ちを考えるのは「お節介野郎」のすることだと思ってください笑
で、ここからが問題です。
この「描写」というのが厄介なんです。
描写は、あくまでも間接的な表現です。
「A君は嬉しい気持ちになった」とか、そんなふうに分かりやすくは書いてくれません。
これは直接的な表現ですからね。
こんな直接的な分かりやすい表現を用いていては、誰でも分かっちゃいますし、何より趣がないですよね。
小学生の書いた作文みたいになっちゃいます。
だからこそ、「彼は急いで立ち上がり、真っ赤な顔をして席を離れた」みたいに間接的な表現を使うわけです。
で、この「描写」には3つのパターンがあります。
まず1つ目が、動作。
今例であげたものもそうですね。
他にも、
「彼は急いで前を向き、教科書をばっと開いて一生懸命読むふりをした」みたいな。
文脈にもよりますが、心情は読み取れそうですよね。
登場人物の特徴的な動作を描くことで心情を間接的に表す手法です。
そして2つ目がセリフ、です。
セリフだって直接的には表しません。
「君が好きだ」なんて分かりやすいセリフはなかなか出てきません。
そうじゃなくて、
「明日ショッピングに行こうよ」と言ってデートに誘ったりとか、そういう間接的な方法で好意を表したりするわけですね。
他にも本心と真逆のセリフを発することもありますね。
好きなのに「嫌い」とか。
嬉しいのに「嫌だ」とか。
いわゆる「ツンデレ」ってやつですね笑
こういう表現も文字通りに捉えてしまうと意味を取り違えますから注意が必要です。
まぁこういう裏の感情というか本心を読み取るためにある意味でセンスが必要と言われるのかもしれないですね。
そして3つ目が、情景描写。
これは心情と風景を結びつけるものです。
小説では最も大切な描写と言われています。
小説の中で登場人物が空を見上げた場合、
嬉しい時に見た空は明るく生き生きとした描写になり、
悲しい時に見た空は暗くジメッとした描写になります。
登場人物のその時の心情を動作やセリフを使わずに読者に理解してもらうために使う技法ですね。
偏見かもしれないですが、小説が苦手な人は動作やセリフは読み取れるけど、この情景描写とかから心情を読み取るのが苦手なんじゃないかな〜と思いますね。
「なんでただの風景から登場人物の心情が読み取れるんだよ、関係ないじゃん」みたいな。
まぁこれは小説特有の表現方法なのでそういうものとして受け入れるしかないですね。
なので、小説を読む際にはこの「3つの描写」が本文中に出てくれば、必ず線を引くようにしましょう。
そして傍線部の心情について問われた場合は、その傍線部の前後にある「描写」から判断するようにしましょう。
以上がざっくりとした小説の解法になります。
シンプルですが、ほんとにこんなもんです。
あとは問題をある程度数をこなして、描写を見つける能力と、そこから正しく心情を読み取る能力を磨いていくだけかなと思いますね。
では今日のワーク。
「以下の例文から読み取れる心情を選択肢の中から選びなさい」
① 「やった!」と声を上げて飛び跳ねた。
② 急に声をかけられて飛び跳ねた。
③ 話を聞いて首をかしげた。
④ 雨に濡れた捨て犬のような目をしていた。
A心細さ B喜び C驚き D疑問
みたいな感じでお願いします〜。
「動作」を表す描写がどこかも探してみてくださいね。
嘘みたいに簡単な問題なのであまり練習にならないかもですか、ぜひ自身で小説文を解く時に今日のテクニックは使ってみてください。
では!
ニューロン