幸福の公式（自分の意志や行動で変えられる部分に注目する！）
ニーバーの祈り
神よ、変えられないものを受け入れる心の静けさを、
変えられるものを変える勇気を、
そしてその違いを見分ける知恵をお与えください
ニーバーの祈りとして知られる上記の有名な一節は、人生において自分がコントロールできるもの（自分自身と現在）とできないもの（他人と過去）を見極め、それに応じて行動するというテーマを扱っています。
幸せになるために「変えられるもの」と「変えられないもの」を見分けるという意味において、これから伝えたいポジティブ心理学における幸福の公式とニーバーの祈りが私の中でリンクしたのでここで引用させていただきました。
ポジティブ心理学でも、自分の幸せをコントロールできる部分と受け入れる努力が必要な部分があると考えられています。
幸福の公式( H=S+C+V)
幸福の公式というものをご存知ですか？
ここでは、ソニア・リュボミアスキーらが提唱した幸福の公式をご紹介します。彼女らは、「幸せ」は3つの要素で導き出せると言います。
H（１００％）＝ S （５０％） + C（１０％）+ V（４０％）
Ｈ（Happiness）は永続する幸福のレベル、Ｓ（Set range）はその人にあらかじめ設定されている幸せの範囲、Ｃ（Circumstances）は生活環境、V(Voluntary control)は自発的にコントロールする要因を表す。
H（Happiness) 永続する幸福のレベルとは
まず、ここで言うHは、永続的な幸福のことで、一時的な快楽や成功ではなく、内面世界の幸せを表し、長期的な充足感などを指します。具体的には、PERMAモデルというもので、マーティン・セリグマンが提唱した幸せを構成する5つの要素がバランスよく充実していることです。（近年はこれらに「V」Vitality :身体的活力が加えられています）
・P（Positive emothion）:ポジティブな感情（喜び、感謝、希望など）
・Ｅ（Engagement) : 没頭（フロー、集中状態など）
・R (Relathionship) : 人間関係
・M（Meaning) : 意義
・A（Accomplishment）: 達成感
・V（Vitality）:身体的活力
S（Set range）あらかじめ設定されている幸せの範囲とは
幸福の公式の５０％を占めている一つ目は、Ｓ（Set range）で、人それぞれの「幸福の基準値」であり、ポジティブ思考が得意な人や悲観的な傾向を持つ人など、どれだけ幸福を感じられるか、生まれつきの性格や気質が関係します。
C(Circumstances) 環境とは
2つ目が、Ｃ（Circumstances）「環境」です。これは、収入、住む場所、健康状態、人間関係などが含まれます。
意外にも、この「環境」は、全体の幸福度のわずか１０％程度しか占めていないとされています。
V（Voluntary control）自発的にコントロールする要因とは
最後の3つ目が、V（Volantary control）自発的にコントロールする要因は40％も占めており、幸福度を最も効果的に高める部分とされます。
つまり、変えられるものとはこの部分で、自分の意志でコントロールできるこの部分に注目していきましょうということです。
では、具体的にどのようなことをしていけばいいのかと言うと、
例えば、
・感謝の実践
・人間関係を大切にする
・ポジティブな思考
・新しいことへの挑戦
・目標の達成
・マインドフルネスや瞑想
などです。
まとめ、感想
幸せになりたいとは誰もが願うことだと思いますが、そうなるための具体的な考え、実践方法が理解できるといいですよね。
私はポジティブ心理学に出会うまでは、一生懸命生きているつもりでありながら、何だか上手くいかない、どこを目指していけばいいのかわからない焦燥感のようなものを抱えていました。
しかし、ポジティブ心理学で日々の幸福感を高めるための具体的な方法を学び、実践していくことで、気持ちが上向きになり、落ち込むことが少なくなったり、また落ち込んでも、気持ちを上げていくことが上手になってきたように感じています。
今回取り上げた「幸福の公式」を理解することで、あなたも変えられるものに目を向け、幸せを感じるための具体的な行動を始めてみてはいかがでしょうか。
あなたの生活、人生がよりよい方向へ向かって進み出しますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
マーティン・セリグマン『ポジティブ心理学が教えてくれる「ほんものの幸せ」の見つけ方』ーとっておきの強みを生かす、パンローリング株式会社、2021年
ポジティブ心理学実践インストラクター資格取得講座 テキスト①