【読書記録】仕事ができる人が見えないところで必ずしていること①
2025年初の読書記録は、安達祐哉さんのこのタイトルの本のレビューをしていきたいと思います。
学ぶことが多い本なので、何回かにわけます。
安達裕哉さんといえば、「頭のいい人が話す前に考えていること」の著者といったほうが伝わりやすいでしょうか。実は、8年ほど前に参加したセミナー(パネルディスカッション)で、初めて安達さんの存在を知り、それ以来、その物腰の柔らかさと頭の良さに一気にファンになりました。
「仕事ができるようになりたい」と思っている私にとっては、かなり引き込まれるタイトルです。ただし「仕事ができる」という言葉はかなり漠然としており、どんなふうにまとめられているのか興味があるし、「見えないところで」というワードはさらに興味をそそられます。安達さんは長年オウンドメディアを運営し、記事も多数執筆しているだけに、わかりやすく引き込まれる文章を書くのが上手いです。冒頭の、『50歳以上しか採用しない会社の社長が行った「人生の変え方」』というセクションから心をつかまれ、一気に読み進めました。
前半部分で特に心に響いた2つのセクションについて紹介していきたいと思います。
「やってみたい」は迷信、「やってみた」は科学
「やってみたい」と「やってみた」の間にはとてつもなく深い溝があると安達氏は言います。なぜなら、やってみればデータがとれ、それをもとに、もっとうまいやり方を考えられる。実験⇒検証⇒再現ができれば科学。でも、やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。
この考え方は、この本で紹介されている様々な考え方にも通じています。
・「アウトプット中心」のスキルアップの仕方を身に着ける
・失敗しない人を誰も信用しない
・考え抜き、修正して、やり続ける力を身に着ける
これらも、まず「やってみる」という思想がベースにあります。
仕事ではありませんが、先日簡単なクイズゲームを作ったときも、それを実感しました。もし私がプログラミング言語であるC#を習得して、ゲームデザインを勉強して、Unityの本をしっかり読んでからゲームをつくろうとしていたら、何か月、何年もかかってしまっていたでしょう。まずやってみる=アウトプットから取り組んだことで、すばやくゲームを作ることができたし、今後どのように勉強すればいいかということもなんとなく掴むことができたのです。
また、これは全く仕事につながらないというわけではなく、そのゲームエンジンを使っている人との共通言語ができた(少なくとも何もしていないときよりは)し、それは今後の仕事に役立つ可能性もあります。
「無限の可能性」は信じてはいけない
その一方で、人生は有限です。
「ほんとうにやりたいこと」を達成しようとすれば、人生の多くを目標のために投じることになると安達氏は言います。
目標を立てる=可能性を狭める、という考え方は言われてみれば確かにその通りです。だから人は目標を決めることを怖がるし、私も怖いです。怖いから、リスクを取りたくないから、他の可能性もできるだけ残しておこうと思ってしまう。一つに決めることができない。だから、様々な恐怖と戦うための勇気が必要だという言葉にとても納得しました。
たとえ報われなくても、努力が大切な理由
最近、努力という言葉を使う人が少なくなってきたと感じます。
子供に勉強させるとき、社会人に仕事をさせるために「努力は報われる」というけど、子供ですら信じない。このズレは明らかに「努力」と「報酬」をセットで語っているところにあるからだと安達氏は述べています。しかし、今の時代は特に、努力は報酬を約束してはくれません。だから最近は、「努力なんて必要ないのでは?」「働かなくていいのでは?」という人が出てきているのです。
これは本当によくぞ言語化してくれました、という感じで。
本当に、何もしないよりも、努力している方がはるかに楽です。
自分に特別な才能や器量があるわけではないから、何もしないと不安で、わりと小さいころから努力だけはしてきました。(もちろん怠けていた時期もたくさんありましたが)確かに報われないことも多いです。けれど、それはそれで、自分が不安から逃れて生きていくために必要だったのだと思いました。そして、仮にそれが成果や報酬につながらなかったとしても、努力した経験や実感、そこで身に着けたスキルは自分の中に残り続けると思います。
努力については、別のセクションで、つらい努力ではなく、「楽に」努力することを勧めています。それはまた次回以降で。