現物寄付をやってみた話
こんにちは。いよいよ3月になりましたね。
今日はお世話になっているNPO団体さんのイベントに呼んでいただいたので、数週間ぶりにまたしても新幹線に乗っています。
ここ2年くらい、新幹線に乗らない月がないくらい乗っているので、さすがに板についてきた感がある。
「イベントに呼んでいただいた」といっても、自分は別になんらかスタッフ的に活動自体に関わっているわけではなく、淡々と寄付をしてるだけの一般人です。
ただ、こういう機会に外出する癖を付けないと東京に引きこもりかねないので、積極的に外に出る口実としてとてもありがたい。
例によって新幹線の車内が暇(こだまなので時間もかかる)なので、寄付について所感を書いてみます。
寄付をはじめた経緯と現状
自分が寄付をはじめた理由はめっちゃ単純で、母がずっと某大手財団法人への寄付を続けていたことを知っていたので、じゃあ自分もやってみようかな、というだけの話。
「それくらいはやらなきゃダメかなと思った」と最低額を淡々と続けてるらしいんですが、昔は献血にもよく行ってたらしいので、多少はなんらか思いがあるのかもしれない。
3年ほど前、前職で収入がかなり上がったタイミングだったのと、30代に突入する節目だったというのもあって「そろそろちょっとでも収入を社会貢献に回すタイミングかな」と思い、自分も某財団の毎月寄付するやつ(1,000円/月)に登録した。
それからしばらくして2023年、大学院でソーシャル・ベンチャーについての講義を受けた際、先生自身がNPO団体の代表をされており「ここなら変なことにお金使われることはないだろう」という安心感があったので、この団体へも毎月の寄付(1,000円/月)をはじめてみた。
合計で2,000円/月の寄付額。
だいぶ少なくて申し訳ないとは思うものの、将来、家庭やらなんやらで自身の周りにお金を使うようになった際「生活削って寄付してるんだぜ」感が少しでもあると、結果として誰も幸せにならないような気がするので、どうやっても続けられるだろう最低額にとどめている。
その代わり(?)に、最近は「Amazonほしいものリスト」を活用した現物寄付を思い立ったときにちょこちょことやっている。
前置きで1,000字くらい使ったけどこの現物寄付を本日のお題とする!
現物寄付ってなんなのさ
現物寄付といえばタイガーマスク運動をイメージするかもしれないが、最近は「Amazonほしいものリスト」を使って、団体側がほしいものをAmazonで注文して送付先を団体にするという形で現物寄付ができる。
「現物寄付」というより、使い道を完璧に限定できる寄付というほうが正しいかもしれない。
タイガーマスク運動のときは「学用品は十分あるからランドセルを贈られてもぶっちゃけ困る」という意見が物議を醸したらしいものの、これならそういうミスマッチの懸念は無い。
小難しい操作とかは必要なく、ふつうにAmazonで注文する感覚とほぼ変わらない。なんならAmazonポイントも付くし、プライム会員なら無料でお急ぎ便に指定することもできる。
注文後の発送連絡とか「届けたよ」連絡とかも通常の注文と変わらずAmazonから来るので、ちゃんと届いたことは分かるようになっている。
(これは団体によると思うが)匿名寄付でなければ、その後団体からも別途お礼のメッセージを頂いたりもする。
それって本当に合理的?
「いちいちそんなことしなくても現金送ったほうがいいのでは?」
こう思った人もそこそこいるんじゃなかろうか。
たしかに、NPO側は現金で受け取っておけば柔軟に使い道を決定できるわけで、加えてAmazonを使うとなると中間業者(販売業者、配送業者、Amazon等々)のマージンが乗るので、現物寄付は非合理という話になる。
ちなみに「現金寄付なら寄付金控除も受けられるから税制上も非合理!」ってことでもあると思っていたものの、改めて調べてみると、「Amazonほしいものリスト」経由でも、ちゃんと処理がなされれば寄付金控除の対象になるっぽい(そうはいえど団体側もオペレーションが大変だと思うので、どこまで現実的なのかは分からん)。
自分は正直そこまで考えてなかったけど「控除が一切受けられないから現金寄付一択!」みたいな状況ではないようで、ちょっと安心。
やってみてどうでしたか
そんな現物寄付ですが、別に自分は「現物寄付マスターだぜ!」というほど熟達しているわけではなく、数百円~数千円のものを数回やったくらい。
はじめは「ほしいものリストで本当に寄付ができるのか?一体どうなるんだ」という興味本位でポチった記憶がある。
やってみた感想としては「けっこうアリだな」という感じ。
なにがアリかというと、「ちゃんと届いている感」というか、手触り感が普通の金銭提供に比べてはるかに強いのだ。
現金寄付の場合、先述のとおりNPO側に裁量があるため柔軟性が高く、かつ使い道をプロに任せるほうが合理的ではあるのだが、一方で「で、結局わたしの金はどう役に立ったの?」というところが薄まってしまう。
ふるさと納税が特産品と札束による殴り合いになってしまうのは、根本的にはこの辺りに原因がありそう。
「子育て支援」とか「観光地活性化」とかのジャンルまでは指定できても、具体的に何にお金が回っていくかまではさすがに指定できないし、実態としてほぼ分からない。
大きな財団に現金寄付するのも同じようなもので「きっとどこかで使われてるんだろうなあ、たぶん」くらいにしかどうしてもなれない……という難しさがある(規模からしたらやむなしではある)。
そこが現物寄付だと「わたしが買った物品がこう使われるんだろうなあ」と想像しやすいし、なんなら「使いました報告」をいただける団体さんもあるので「やって良かったなあ」と感情移入できる。俗に言うエモいというやつ。
ちゃんとフィードバックして信頼醸成する……というのは、寄付に限らず「満足度調査」的なものでも重要なポイントではなかろうか。
Amazonを介するコスト以上に、「いいことしてる感」と「団体への信頼感」という非金銭的価値の交換を生み出しているといえそうだ。
おわりに
けっきょく「いいことしてる感」があるからいいよね、という話で、こう聞くと、端的に言ってゲスいという感想を持たれるかもしれない。
というか昔は自分もそうだった。「人のためっていうなら清く正しく美しくやれ」というか。
一方で、どうゲスくとも金は金であり、スタバ1杯程度の話で多少なりとも役に立つことがあるなら、そっちに金を回したほうが社会全体の幸福度上がるよねというのも事実だし、「こまけぇこたぁいいんだよ」と最近思えるようになった。
つい数日前、職場の同僚が「色々流したり淡々とやったりできるようになったのは年の功かな」と言ってて「たしかに」などと謎の納得をしていましたが、これもまぁ年の功ということで、ひとついかがでしょう。
ご参考
いちおう「よーし自分もいっちょ現物寄付をやってみるか」という方がいらっしゃった場合のために、ご紹介まで。
自分は別に回し者とかではないんですが、送付後にとても丁寧にメッセージを頂けて「現物寄付ってこんな感じなんだなあ」と実感が湧くという点でおススメします。