今年4回目の日記ですよ。


「ふっ…朝にウィンナーを2本食べったきり、
何も食わずか…」
ソファに腰をおろし、時計を眺めると23時過ぎ。

「そうえば今日の夕飯をカレーにしようとか、昨日は考えていて…ふっ…カレーか…」
ソファに腰をおろした男はボソッと言うと、
そのまま目を閉じた…









その部屋の前で足が止まる。

すると、その部屋からリズムの良い音が聞こえる。
そして音と共に、鼻孔をくすぐるいい香りに気付く。

「カレー…か…。意外にベタなんだな。」

ボソッと、部屋の前で足を止めた男は言った。 
 

チャイムを鳴らすと女の声が聞こえた。

「Hi?」

そして同時に玄関のドアが開く。

開かれたドアによって、
部屋に立ち込めていた香りが外に流れる。 

「やっぱカレーか。」 

「…坊や…。」

少し戸惑った様に、出て来た女は言った。

その女の様子に、少し残念そうな顔をしながら坊やと呼ばれた男は言った。

「こんな朝早くから、彼女の家に彼氏が来ちゃいけない決まりでもあるのかい?」

すると、困惑した表情から一変、笑みを浮かべ女は言った。

「ううん、坊やと、その格好の坊やに会うのが久し振りだったから。」

「ふっ…この格好以外の俺を知らないくせに。」

そう言った坊やを女は部屋へと通し、
2人は愛の巣へと消えていった…。
 
坊やと呼ばれた男、篠八踴22歳。

ビリーズブートキャンプを起動させ愛しのシェリーとの妄想デートを開始したのは、起床してパンツ一枚になり27分後のコトだった…。
 
 
「…どうしたの?」

先程部屋を後にしたばかりの男が部屋に戻って来たのだ。

しかし、その男の異変に女は気付いた。

格好は先程と一緒だが…体が変化していた。

上半身に縦横無尽に浮き出た血管を見て、
「どうし」

「彼氏が彼女の部屋に来るのに理由が必要なのかい?」

女の言葉を遮って、男は言った。

すると、また女の表情は困惑から笑みへと変わる。
そして、
「勉強したのね。そんな言葉を覚えたなんて。」と、嬉しそうに言う。

「ふっ…。俺が強くなればなるほど、苛めがいがあるってわけだ。流石はドSのシェリーだな。」

「あなた、変わったわ。」

「そうえば言ってなかったな、内定によってスーパーサイヤ人になったって。スーパーサイヤ人になると、軽い興奮状態になるのさ。」

「あら、あわてんぼうサンね。だからそんなに血管浮き出て」
 
「これはテメーとさっき闘りあったからじゃあああぁぁーーーーーーーーーーーッッッ」
 
叫んだ男、篠八踴22歳。
Rest10分での第2ラウンドの始まりの合図だった。
 
 
 





ソファに腰をおろしていた男の瞼が開いた。

「ふっ…もう10数年も前になるのかい…」
男はボソッと言うと、ソファから立ち上がりキッチンへ。

すると、シンクには大量の洗い終わっていない食器があった。

「ふっ…内定によって目覚めたスーパーサイヤ人か…

全く…懐かしいねぇ…」

ボソッと言うと、男は食器を洗い始めた。

そうだ。
スーパーサイヤ人の時間はとっくにもう終わったのだ。
今は一家の大黒柱スーパーATMとして馬車馬のように働く時間なのだ。

妻の尻にしっかり敷かれてる男、
それが今の男なのである…

OK。この続きはまた明日。

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