匂い付け(エッセイ)
私は普段、出かける時『ショルダーバッグ』を使っている。
友人の結婚式の引き出物のパンフレットから選び貰った物だったが、中々物持ちもよく、私自身も使いやすいと感じている為、めったに鞄を変える事はない。
同じ様にショルダーバッグを何個か持っているものの、宝の持ち腐れ状態になってしまっている……。
(断捨離の予兆………か……?)
……っと、話が逸れた。
唐突だが、私のこのショルダーバッグには、地域猫ちゃんの猫ちゃんの匂いが付いていると思う。
今は足が遠のいてしまっているが、地域猫ちゃんがいる公園に良く行っていた私は、地域猫ちゃんを見つけは、撫でさせてくれる猫ちゃんの近くへカバンを置いていた。
そうやって猫ちゃんを撫でたりしていた時に、スッと猫ちゃんが動いては、カバンに顔を擦りつけていたから。
そんな私のショルダーバック。
話は移り、グンちゃんと再会した日。
グンちゃんは静かに私のショルダーバックへと近付き、公園に居た猫ちゃんと同じ様に、自分の顔が顔を私のショルダーバックに擦りつけていた。
「……他の猫ちゃんの匂いがする?」
返事などない。
けれど、グンちゃんがこうして私のカバンに近付き、そしてそのカバンの近くに居る私に警戒する事なく近付いてくれるなら、私はもう充分だ。
……可愛いし。
グンちゃんには、このカバンがどんな匂いやモノに見えているのだろう。
人間である私には想像する事しか出来ないけれど、出来れば嫌な匂いではなく、匂いもキツイ匂いじゃなければ良いな……(笑)と思っている持ち主である私。
私のカバンには、匂いがついている。
地位猫ちゃん達の匂いと、空気の匂い。
そして、
グンちゃんの匂いが。