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ちょっとした成長(エッセイ)

「幼稚園の先生からさ、いしかちゃん、もう少しハサミの練習をして頂いた方がいいかもしれませんね。って言われたんだよ」
母が幼稚園の先生に言われたことを私に教えてくれた。この幼稚園の先生からの意見に未だに母は少し根にもっている。
けれど、確かに、私は不器用で周りの子が当たり前に出来ることが出来なかったり、時間がかかったりする子供だった。

○三つ編みの練習
○ペットボトルと割り箸を使って編むマフラー
○本を借りるときに言う言葉
○給食を食べるのが遅かった
○折り鶴が折れない

こんな時、私はとても辛く、何で出来ないの?と思っていた記憶がある。
幼稚園の頃の楽しかった記憶はほぼなく
覚えてもおらず、悲しかったり、恥ずかしかったり、辛かった記憶しかない。
今綴っていても少し心がザラザラしているようだ。

けれど、大人になって幼稚園の頃に出来なかった事は殆できるようになっていた。当たり前と言えば当たり前たが、私にとってはちょっとした成功でもある。

今も不器用は変わらないけれど、折り紙も三つ編みも出来るようになったし、食べるのも早くなって、ちゃんと食べられる様になった。
まあ、それでも周りにいた同級生達と比べれば、私は出来る方ではなく、どっちかといえば劣等生だったかもしれない。

それでも、幼稚園の頃の私に言いたい。
今できなくても、少し成長したら出来るようになってるから、悲しむことなんてないよ。焦る必要ないよ。と、
だから、もう少し、諦めないでみよう。と………。

そんなちょっとした成長を今でも感じられる私、なんてラッキーなんだろう。
そう、思うようにする。
そう思おう。

私。

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