苦手な冬の、良いところ(エッセイ)
寒い季節は苦手だ。
暑さも苦手だ。
というか、暑さも寒さも際限がないから嫌になって、苦手になってしまった。
秋と春が、やっぱり良い。
……なんて事を思いながらも、もう冬はやって来ている訳で…。
そんな冬という季節でも私の中で『これは良い!』と思う事があった。
それは「鍋」だ。
野菜室や冷蔵庫に余っている具材を鍋に入れて、少しの白だしを入れて煮れば、あっという間に「水炊き」の様な鍋が出来上がる。
その鍋の具材をポン酢に付けて食べれば、あっという間に「むふ〜〜ん♪」となる。
体は温まるし、不足しがちな野菜も沢山食べられる。
けれど、何より嬉しくて楽なのは、包丁で食材を切って鍋に入れ、火が通るまで煮ていればご飯が出来上がる事。
そして、鍋を煮ている間に洗い物をしたり、片付けたりをしたり出来るから、食べた後も少し楽できる。
ホッとできる。
こんな楽チンだと思える食べ物を食べる回数が増える『冬』は、寒い寒いが口癖になる季節の中の『楽』という楽しみの一つなのかもしれない。
今日もお鍋。
明後日もお鍋。
毎日味を変えてのお鍋。
………なんて事はないけれど、
グツグツ聞こえる鍋の音。
フーフーすると揺れる湯気。
食べ終わると温まる体。
そんな『お鍋』は、面倒くさいと思ってしまうご飯作りの心強い味方かもしない。