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#007 ババヘラアイス
ババヘラアイスは東北の氷菓らしい。
そんなことを知ったのは昨日のことだ。
wikiによると、ババヘラアイスは主に日本の秋田県で露天販売されている氷菓のことで、販売員を務める中年以上の女性(ババ)が、金属製の「ヘラ」を用いてコーンへ盛りつけることからこの呼び名になったらしい。なんともひどい命名の仕方だ…。
私の地元は秋田ではないが、お祭りが開催されると、
ババヘラアイスの販売台車はいつだってそこにあった。
台車にはドラム缶やミルク缶状のステンレス製保冷缶にアイスが収められており、お客さんから注文を受けると、販売員は缶の蓋を開け、ヘラを使ってコーンにアイスを盛ってくれる。
私の記憶では、アイスはピンク、黄色、白、緑の4色があった。
どの色もさっぱりとした味わいで、暑い夏にピッタリだ。
正直に言うと、コーンはあまり美味しくはなかったが、ババヘラアイスは
それすらも愛おしくなるようなお祭りの思い出だった。日常生活の中でババヘラアイスを食べることがなかったことも、特別感を抱かせた要因なのかもしれない。
「ババヘラアイス=祭り」だとずっと思ってきた。全国のどの祭りでも販売されているのだと。しかし、数日前にこの考えは覆された。
ババヘラアイスは秋田の氷菓で、
全国的に販売されているわけではないらしい。
確かに東京で目撃したことはなかった。東北以外ではなかなか食べることができないのかと、私のなかでババヘラアイスのレア度が急激に上昇した。
ババヘラアイスは通販でお取り寄せすることもできるらしい。
しかし、お祭りの雰囲気があのアイスの美味しさを120%引き出しているのだと思う。ババヘラアイスは単なるアイスではなく、地元の風景やその時の気温や天気、そして人の温もりと一緒に味わう「体験」そのものなのかもしれない。