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「やってごらん」が言えなくて
ちょっと前なんですが、
娘がある事を「やってみたい」と言い出しました。
それについて、
自分の心の動きが結構激しくて。
自分はまだまだ未熟者だなぁと思いました。
特に危ない事じゃない
凄くお金がかかるわけでもない
ただ、娘の好きな事の延長線上というか
もしかしたら娘は将来こっちの道に進んでいくのかもしれないな、と思う事があって
それの最初の一歩みたいな事を、娘が「やってみたい」と私に言ってきたんです。
でも、私は「良いじゃん!!やってみなよ!!」と、言ってあげる事が出来なかったんです。
今やらなくても良いんじゃない??
本当に今じゃないとダメなの??
お母さん、難しいんじゃないかと思うな…
そんな風に私は言いました。
正直な事を言えば「趣味で続けていけば良いんじゃないの??」と、喉元まで出かかりました。
でも、それは言えなかった。娘が大好きな事だと知ってたから。
娘とやりとりをしていて、心の中に黒い絵の具が流れてくるような、なんとも言えない気持ちになりました。
「まぁ、やってごらんよ!!」が言えない。
言えなかった。
なんであんな事言っちゃったんだろう。
自分も子どもの頃、大人から同じ様な事を言われたから
自分の知らない事をやらせるのが不安だから
何となく将来が不安だから
そんな理由でしょうか。
そしたら
娘が凄く悲しそうな顔をして
そしてちょっと怒りながら
「でも見てよ!!こういう方法があるみたいなんだよ!!こういう人がいるんだよ!!私もやってみたい!!」
と、私にスマホとノートを見せてきました。
そしたら、そこには娘が調べたであろうサイトや、メモの走り書きがいっぱい書いてありました。
この子は、この子のできる範囲で、ちゃんといっぱい調べたんだな。
そう思いました。
それから、娘のメモやそのサイトを見て
その分野について知らないのは私の方で、
娘の方が何倍も詳しくて
いろんな方法で挑戦している人がいる世界なんだと
何となく分かって
何にも知らないのに「やめておけ」みたいな事を言った自分がちっぽけに思えて
自分ってちっちゃいなぁ、と思いました。
結局、娘にはいくつか条件を出して、
それを守れるならやってごらん、という事になりました。
めちゃくちゃ嬉しそうで
親戚にたまたま詳しい人がいて、その人に教えてもらいながら
娘は夢中になってやっていて
私が知らない世界にこの子は行こうとしてるんだな〜、と思うと
寂しくもあり
嬉しくもあり
頼もしくもありました。
そして、ああ、自分もこうやって誰かに「やってごらん」って言ってほしかったんだなぁ、と思いました。
どこに行っちゃうのかな
どこまで行くのかな
そう思う気持ちもあるけれど
どんな景色を見に行くのかな
どんな体験をしてくるのかな
そう思う気持ちもあります。
私の役目は、娘と息子が、ちゃんと自分の道を見つけて歩いていくための手伝いをする事。
大きくなったんだな。
私が知らない世界を見つけられるくらい、ぴょん子は大きくなったんだな。
まだ14歳。
もう14歳。
その道を歩いていくのかは分からないけど
「この道、面白そう」
「こっちにも道があるぞ」
「ちょっと歩きにくそうだけど、行ってみたい」
「やっぱりこっちの道に行こう」
とか、いろいろ試してみたくなるんだよね。
そりゃそうだよ。
だって14歳だもの。
いろんな事、やってみたくなるのが普通だよ。
私は、子ども達の安全確保をちゃんとやってあげれば、それで良いんだ。
子ども達がいろいろやって疲れた時に、
「休憩しよう」と声をかけたり
おにぎりを渡したり
寝袋だったり、時にはご褒美で温泉宿に連れて行ったり
そういう事が出来ればいいんだ。
そうなりたいなぁ…。
母、まだまだ未熟です…。