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「ひきこもり」が、やたらと寝るその理由とは。

子どもの「ひきこもり」のことで悩んでいる親にとって、子どもを目にするたび大抵寝ている姿ばかりで、「体を動かしてもいないのに、なぜああも寝れるのか」と、疑問に思っていたり、

さらには、陽の光を浴びた方が健康に良いからと、「子どもの昼夜逆転をやめさせたい、または、治させたい」と思っている親は、少なくないんじゃないでしょうか。


実際に、僕自身も、ひきこもっていた当時は、とにかくやたらと寝ていたのを覚えています。


そこで今回は、「ひきこもりあるある」の一つでもある、「ひきこもり」がやたらと寝る理由について触れていこうと思います。


本題に入る前に、大事なことをお伝えしておくと、今回お伝えする内容は、どうしたら昼夜逆転を止めるのか、昼夜逆転をやめさせるには、何をさせれば良いのかなどの、昼夜逆転を変えるような方法は一切書かれていません。

本記事の目的は、「ひきこもり」という問題と向き合う上で、この記事を通じて、子どもへの理解を深めることと、あなた自身の心が少しでも軽くなる、または、この問題と向き合う上での心構え的なものになればという思いで書いています。

これらを理解していただいた上で、本文を読み進めていただけると幸いです。




なぜ、やたらと寝るのか。


「ひきこもり」が、やたらと寝る一番の理由は、回復のためです。

我々は、風邪をひいたり、大きな怪我をした時は、安静にすることで、体の回復をさせると思いますが、そういう時ほど、やたらと寝ると思います。

病院に入院したときなんかは、まさにそうですよね。

犬や猫などの動物も、怪我をしたり具合が悪い時というのは、とにかく寝続けることで、体を治そうとしますよね。

これについては「ひきこもり」も同じです。


我々は、寝ることで身体の修復をし、日常に戻ろうとしますが、どんなに寝ても、日常に戻ることが出来ずにいるのが「ひきこもり」というものです。

「ひきこもり」がやたらと寝る理由は、主に3つあります。


一つ目の理由は、「現実逃避」です。

これは、「ひきこもり」の子どもを見ていれば、ほとんどの親は、薄々は気が付いていたり、そう思っていたという方がほとんどなのではないでしょうか。


僕自身、今振り返れば、現実逃避の一つの手段として、「寝る」という選択をしていた思います。

ですが、当時は、現実逃避をしているなんて微塵も思っておらず、むしろ、なぜこんな思いをしなければいけないのか、この先どうしたら良いものかなど、いろんなことを考えていました。

色々と考え続けていると疲れるため、寝ることで、そこから離れようとしてたんだと思います。

寝ている間というのは、余計なことを考えずに済む時間でもあるので、最も安らぎを得られる時間だったと思います。


2つ目の理由は、「脳や心が疲弊する」からです。

一般的に、疲れというのは、激しい運動をした後や、長時間体を動かしていた時に感じやすいので、体を動かさないでいる状態というのは、たいして疲れを感じないと思う方もいるんじゃないかと思うのですが、

むしろ、体力面の疲労よりも脳の疲労の方が、疲労の度合いが高いんだそうです。


職場や学校、町内会の集まりなどで、人に気を遣うことで、どっと疲れたという経験をあなたもしたことがあるのではないかと思いますが、

「気疲れ」というものは、揉め事が起きないようにとか、相手の機嫌を損ねないようにするなど、その場、その瞬間の最適解は何かを常に考え、脳がフル回転していた証拠です。

それくらい、脳を酷使するというのは疲れるものです。


「ひきこもり」というのは、親の顔色や、親の目というものを常に気にしながら、あなたが思っている以上にいろんなことを考えています。


例えるなら、答えのない問いの答えをずっと探しているような感じです。

当時の僕のことで言えば、

  • このような事態になっているのは誰のせいか。

  • この先どうしたものか。

  • 現状を変えたいけどわからない。

  • どうやって楽に死ねるか。

  • 人様に迷惑をかけずにこの世から去る方法はないか。

  • なんで自分だけこんな辛い思いをしなければいけないのか。

このようなことを、永遠と繰り返し考えていました。


このようなことに脳をフル回転させながら、親の顔色や、親の目を常に気にしていれば、脳が疲れるだけでなく、心も疲弊して当然だと思います。

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