胸糞映画の代表『ミスト』

スティーヴン・キング原作のSF。
個人的に胸糞映画の代表と思っています。
あの救いのない物語、悲しすぎて観た者の心を抉る作品。

舞台は、謎の霧に包まれ、その中に謎の巨大生命体がウヨウヨいる世界。主人公はスーパーで買い物中に外がいきなり霧に包まれるのを目撃し、外に出ていた人々が何かに食われるのを見た客たちと共に戦慄し、スーパーに立てこもるところから始まります。主人公は幼いわが子を守りながら生きる道を探りますが、事態は悪化していく一方。それでも奮闘する主人公を待つのは、あのラスト……。

描かれるのは謎の巨大生命体の恐怖より、人間の怖さ。
生きるか死ぬか……というより、誰か生きて誰が死ぬかの究極を迫られるほどに追い詰められた人びとの姿は悪魔よりも悪魔です。自分が生きるためなら何でもする、生贄を出してでも生き残る、そんな執念に気持ち悪さすら感じるほど。集団心理というのか、1人が狂い出すと他の者も狂い始めて収集がつかなくなる様子は、普通のホラー映画よりもよっぽどホラーです。本当の恐怖ってのはコレだなと思うほど。

特に辛いのは終わり方。
あれほど絶望したラストは後にも先にも『ミスト』だけです。ほんとにキツイ。

観る時はぜひ前知識なく観てください。
ネタバレ厳禁の作品です。
先に言っておきます……後を引く後味の悪さです。落ち込んでる時に見るのは、余計落ち込みそうなのでオススメしません(笑)