大学教員のゴールデンウィーク
4月の慌ただしい新年度がひと段落しての連休。
私の大学は、5月3~7日の5日間が連休でした。
大学教員の休日。
私の学生時代、そんなことは想像したこともありませんでした。(はっきり言って、興味すらなかったです)
かなりどうでもいい話題ですが、今回は私の連休について書いてみます。
私の連休5日間
連休初日は、実家に帰省しました。
帰省なんてなかなかするものではなく。久しぶりに孫の顔を見せに帰った感じです。
ガーデニング趣味の母親や親族の家に招かれて、普段はない「子ども」の役割をこなしてきました。もちろん、夫であり、父親の役割もありますけど。
職業柄、普段は「子ども」になることが大変少ないので、新鮮でした。
連休2日目は、子どもの体操教室の見学に出かけました。
体操教室の日、私はいつも授業日のため子どもの体操姿を見る機会もなく。
今回は連休の恩恵を受けて、ようやく見ることができました。
いつもしっかり甘えてくる子どもが、きりっ!とした表情でマット運動や器械体操、集団行動をしている姿をみて「あぁ成長したなぁ・・」としみじみ。親父です。
つい最近までおむつにミルクの日々だったのに。
親にとって子どもはいつまで経っても子どもなのですね。
連休3日目は、家のことをしました。
普段しないところの掃除や買い出し、子どものパソコンやゲーム環境の整備など。
子どもの日だったので、近くの和菓子屋まで二人で散歩して、よもぎ餅やちまきを購入。帰りに「フライドポテトが食べたい!」と言い出したので、帰りにファストフード店に突入。
連休4日目は仕事でした。
大学ではなく外部の仕事です。ある自治体からの依頼で、定期的に助言・指導をさせていただいています。
普段は大学生や院生など、10代後半から20代中盤くらいまでの若者と接する機会が多いのですが、このお仕事でお会いする方々は50~60代の一般市民の方々。
実は地域貢献という意味では、このお仕事が一番くらいの位置づけです。
連休5日目は、子どもの習い事の送り迎え。ついでに自分のスポーツジム。
こうして書き出してみると、いかに子ども中心で動いているかがわかります。
それで、研究は?
はい、そうですね笑
正直、今年の連休は研究あまりしませんでした。
空き時間や夜の時間に、普段読めなかった和書数冊と英語論文を読んだくらいです。
別の休日では、普段できない重めの(時間を要する)データ解析をがっつり行ったりします。今年は、あまりエネルギーがなかったのと、そういうタイミングではなかったからです。
例えば、ある学会誌の査読中で数回のやりとりを経て掲載されそうな論文を待っているとか、それを待って次の研究に取りかかりたいとか、別の研究構想をまとめているとかで。気持ちの区切りがあまりよくなかったのです。
結構、気分も大切にしています。
連休は嬉しいか
世間的には嬉しいことですよね。でも私はそうとも言い切れません。
連休があると、いつものローテーションが崩されるからです。
連休だからと言って、業務が減るわけではないというのもあります。
特に私立大学の場合、「研究」はもっとも後回しにされがちな業務です。
研究業績の有無が、昇格・昇進などキャリア形成に大きな役割を担うにも関わらず。
私は、お盆や正月、(学生にとっての)夏季休暇・春季休暇にしかまとまった研究ができないので、お休みの日は大チャンスなんです。
ゴールデンウィークもまさにその時。でもそうもいかない。
親、夫、子どもの役割、一般市民であり県民であり、余暇を楽しむ一人の人間でもある。
研究者としてのみ生きているわけではない。
この葛藤は悩ましいところです。
私の同僚には、産休・育休をとっている方や、ご本人やご家族が病気で、低空飛行の方もいらっしゃいます。
それぞれの立場で、自分の人生と教育・研究のバランスをとっているんですね。
どのような職種のお仕事でも同じような側面はあります。
でも「研究」に関しては、大学教員は悩ましいことが多いとは思います。
おわりに
ある大先輩の教員が仰っていました。
「大学教員たるもの、〇〇(某ディスカウントストア)とか、〇〇(某ファストフード店)には行けないよ」
ご本人も仰っていたとおり、「ひと昔前の価値観」のようでしたが、いかに「世間」に留意した職業かを痛感したところです。
ところが私はといえば。某ディスカウントストアや某ファストフード店に、わりと(頻繁に)出入りしますし、服装もファストファッションが多いしで、まったく自覚のない大学人です。
その世代の先生方からしたら「けしからん!」とお叱りを受けそうです。
でも、私は大学人であると同時に「普通の人」でありたいなと思うのです。
普通の感性・感覚をもって研究にまで高められる人。社会に発信して、多くの人に本質(に近いこと)を、一般的な感覚で伝えられる人。
私は遠く及びませんが、そんな大学教員の方が、私はずっとクールだと思います。
私の尊敬する同世代の同僚は、みんな私生活も一生懸命です。
大学教員も普通の人。
この記事を通して、そんなことが少しでも伝わればいいなと思います。