コトバの捉え方を変えてみる
カウンセリングをしている中で感じることの一つに、どうしても自分自身を否定的に捉えてしまい、そこから抜け出られず負の連鎖を繰り返してしまっている方が多いということです。
自己否定の元には「間違った思い込み」があり、それは育った環境の中で自分の身を守るために身に付けざるを得ず、かつそれは「植え付けられたモノ」であることに気付けていないところにも問題があります。
そこで私はいつも「コトバの捉え方」を変えてみることを提案しています。
例えば「あきらめる」というコトバ。
「諦める」というコトバの意味として「とても見込みがない、しかたがないと思い切る。断念する。」というモノがあります。
これだけを見れば否定的な、マイナスな意味として捉えられます。
皆さんは「個性心理学」をご存じでしょうか?
ずいぶん昔の話になりますが、動物占いというのが流行ったことがありました。
(確か私は「物静かな羊」だった…と思います)
この動物占いは個性心理学の中で使われていたモノです。
以前、この個性心理学を学んでいる人と話す機会があって、その時の話の中にこの「諦める」というコトバの解釈について話題になったことがありました。
個性心理学では「あきらめる」というコトバを「明らかに認める」という意味で使う、というんです。
今の自分の状況、生きる環境について「明らかに認める」ことから始めよう、というんですね。
今の自分には出来ない事、不安なこと、悩んでいることがたくさんある。
それが「今の自分」であり、そういう自分を「あきらめる(明らかに認める)」ことでそれらを自分への課題とし、取り組んでいく材料として前に進もう、という考え方にする。
諦める、というコトバを肯定的に、前向きなコトバとして捉えてみることで「今の自分」を否定も肯定もせずそのまま認めて、その上で自分を変えて行こうという思いがそこにはあるんだそうです。
また「悩む」というコトバ(行為)も捉え方を変えてみることで、前向きになれるかも知れません。
これは私の考えですが、私はこの「悩む」ということについて「自分独りではどうしようもないことを、自分独りで何とかしようとしてそれが出来ずにいる状態」と伝えています。
そこで悩んだ時にはそれを誰かに話すことで自分一人の考えに囚われず、独りで何とかしようとせず、誰かに助けを求めても良い、そういう自分を許してあげよう、と伝えていますが、そもそもこの「悩む」という行為自体が「出来ない自分を何とかしたい」という想いから生まれ出ていると考えれば、そこには既に「出来ていないこと」に対して「前向き」に取り組もうとしている自分がそこにいる、ということになります。
そう考えるとこの「悩む」というコトバ自体も、前向きな意味合いとして捉えることが出来ます。
よく「ポジティブ変換」なんて言われますが、これはコーチングで言うところの「リフレーミング」であり、こんな考え方を身に付けられたらもう少し、生きやすくなって行けるかも知れません。
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須藤 勝則
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