「自覚」から始まる回復ーアダルトチルドレン
今でもホームページへの問い合わせや初めてカウンセリングに来られた方の中に、アダルトチルドレンについて間違った理解をされている方やどういうモノか分からない、と訊かれることが多いため、改めて少しアダルトチルドレンについてお伝えしようと思います。
元々の定義は「Adult Children of Alocoholic(アルコール依存症者の親がいる家庭で育った子供)」だったのですが、後にその解釈が拡大して「Adult Children of Dysfunctional Family(虐待等、機能不全家族で育った子供)」となりました。
(それぞれACOA、ACODと略されています)
このようにアダルトチルドレンとは「概念」「考え方」であって、「病気」ではありません。
(私は「個性」という伝え方をしています)
ですから病院で医師から「あなたはアダルトチルドレンですね」と診断されることはありません。
最近、心療内科などで「複雑性PTSDと言われました」とカウンセリングに来られる方は増えています。
またネット等にある診断サイトでも「アダルトチルドレン診断」なるモノが見受けられるのですが、これらはあくまでも参考程度に留めておく方が無難です。
例えば「うつ病診断」とか「○○障がい診断」みたいなサイトもありますが、これらも目安という程度のモノですので、正確な診断は医師に任せることをお勧めします。
というのも、このようなサイトで「あなたは○○障がいの可能性があります」などと結果が出てしまうと、自分はそうなんだ…と思い込んでしまい、そこから本当にその病気に進んでしまう可能性があるからです。
またそういうサイトで出てくる結果は大抵、何かしら問題がありますよ、となるように出来ているモノで「まったく問題ありません」という答えに辿り着くことはほぼありません。
なのでそのようなサイト診断を鵜呑みにしないことはとても大切になります。
では一方でアダルトチルドレンはと言えば、病気ではありませんから診断もありません。
逆に自分がアダルトチルドレンの可能性があることが分かることによって、今の自分が抱えている生きづらさの元がそこにあったことが分かると、それまで分からなかったことが分かることで進むべき道が見えて来ます。
但し、あくまでも「概念」ですからこれは「自覚するか・しないか」ということが大切になります。
他の誰かから「あなたはアダルトチルドレンだよ」と言われるのではなく、自分が「アダルトチルドレンだったんだ」と自覚することが、回復の始まりとなります。
その意味では私のホームページでも上記のような「診断もどき」のコンテンツはあります。
いくつかの項目があって、それらの内いくつ当てはまればアダルトチルドレンの可能性がありますよ、というものですが、例え全部当てはまったとしても「自分はアダルトチルドレンではない」と思えばそれで良いですし、一つしか当てはまらなくても「自分はアダルトチルドレンだ」と思えば、それでも良い、ということです。
自覚することで自分のこれまでを振り返ることが改めて出来るようになり、自分が育った家庭の問題が分かるようになって、そこから回復するための方法も見えて来ます。
まずはアダルトチルドレンを正しく知ること、アダルトチルドレンは自覚することで回復が始まること、これらを知っておいてください。
頂いたサポートはカウンセリング普及活動などに使わせて頂きます