きょうだいの日
4月10日は「きょうだいの日」です。
みなさんは「きょうだい」「きょうだい児」という言葉をご存じでしょうか?
ヤングケアラーという言葉はだいぶ世間的にも知られるようになって来ましたが、ヤングケアラーとは家族の中に介護が必要な人間がいて、子供の頃からその介護を担っている人のことを言います。
きょうだいとはその介護対象が自分の兄弟姉妹である場合を指します。
自分の兄弟姉妹が重い病気であったり障がいを抱えていたりして、そのお世話を子供の頃からする訳ですが、そのような家族の面倒を見ること自体は美談として扱われますし、中には「家族として当然」という意見もよく耳にします。
ですがそれは「お手伝い」というレベルではなく、自分を犠牲にしているとしたらどうでしょう?
学校が終わって放課後、友達と遊びに行ったりすることもなく、部活や塾などに行けることもなく、夕飯の買い物やその支度、掃除や洗濯、要介護者の身体介護など、凡そ子供が出来るお手伝いのレベルを超えたことを日々しなければならないとなったら、その子は一体いつ「コドモらしい楽しい時間」を過ごせるのでしょう?
ですがそれが日常となってしまうとそれが自分の中でも「当たり前」となってしまい、例え苦しいとかつらいと思ったとしても家族の介護ですから、その想いを吐き出すことが出来ず溜め込んでしまいます。
まさに「アダルトチルドレン」がそこで出来上がってしまう訳です。
きょうだいの日の制定理由の一つに「この日は普段、きょうだいや家族の介護をしている子たちがそこから離れて、自分らしさを取り戻せる日になって欲しい」というものがあったと聞いています。
またそういう子供たちがいるということを、その子たちが実は苦しい想いをしているかも知れないということを私たちが知ることで、その子たちに救いの手を差し伸べていこうという意味も含まれています。
ヤングケアラーの問題は地域社会の協力や行政の支援はもちろん、身近なところで起こっている出来事としてその支援の輪を広げていくことが大切と考えています。
そしてその当事者たちが自分の声を上げても、それをそのまま受け入れてもらえるような環境を整えていくことも大切です。
みなさんもこの機会に「きょうだい」について理解を深めて下さい。